出版社内容情報
1990年代にあらゆるメディアを巻き込んで一大ムーブメントを築き上げ、ホラー・ジャパネスクの原風景を立ち上げた「学校の怪談」。いまや日常の空間に入り込み増殖を続けるそれを多様な視座から揺さぶって、現代の〈闇〉の磁場と怪異へのまなざしを探査する。
はじめに――「学校の怪談」という問題系 一柳廣孝
第1章 「学校の怪談」に始まる――一九九〇年代ホラー小説ブームと都市伝説の関係をめぐって 東 雅夫
第2章 「学校の怪談」の映像誌 吉田司雄
1 関西テレビ・宝塚映像版「学校の怪談」シリーズ
2 東宝映画版「学校の怪談」シリーズ
3 関西テレビ・アルタミラピクチャーズ版「学校の怪談」スペシャル・シリーズ
4 「トイレの花子さん」シリーズ
第3章 「学校の怪談」と児童文学 宮川健郎
1 「学校の怪談」の発見
2 「学校の怪談」の再話
3 「学校の怪談」の創造
4 「学校の怪談」批判
第4章 「怪談の学校」がなくなったあとで 難波博孝
1 最初の仮説――学校の事件が「学校の怪談」を駆逐した?
2 「盛り上がり図式」への疑問
3 「学校の怪談」はなぜ起こるのか――児言態の枠組みから考える
4 「学校の怪談」を分類する
5 「学校の怪談」がないということ
6 「怪談の学校」はどこに
7 「怪談の学校」がなくなったあとで
第5章 「花子さん」と呼ぶとき――学校口信夫と「怪談」(1)――お伽話の中心は怪談である
4 折口信夫と「怪談」(2)――なぜ夏に怪談をするのか
5 幽霊と妖怪と――今野圓輔『日本怪談集』の可能性と限界
6 常光徹「学校の世間話」から始まったこと――「怪談」の不在
7 〈口承〉としての「学校の怪談」へ――怪談の階段
おわりに 一柳廣孝
「学校の怪談」資料
内容説明
一九九〇年代に、書籍・映画・マンガ・テレビドラマと一大ムーブメントを築き上げ、ホラー・ジャパネスクの原風景を立ち上げた「学校の怪談」を多様な視座から揺さぶって、現代の“闇”の磁場を探査する。
目次
第1章 「学校の怪談」に始まる―一九九〇年代ホラー小説ブームと都市伝説の関係をめぐって
第2章 「学校の怪談」の映像誌
第3章 「学校の怪談」と児童文学
第4章 「怪談の学校」がなくなったあとで
第5章 「花子さん」と呼ぶとき―学校とリテラシーの近代から
第6章 「社交」と「ふるまい」―学校という舞台
第7章 民話運動と「学校の怪談」―その思想性をめぐって
第8章 怪談の階段
著者等紹介
一柳廣孝[イチヤナギヒロタカ]
1959年、和歌山県生まれ。横浜国立大学教育人間科学部助教授。専攻は日本近代文学・文化史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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