「学校の怪談」はささやく

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「学校の怪談」はささやく

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  • サイズ B6判/ページ数 249,/高さ 19cm
  • 商品コード 9784787291776
  • NDC分類 388.1
  • Cコード C0095

出版社内容情報

1990年代にあらゆるメディアを巻き込んで一大ムーブメントを築き上げ、ホラー・ジャパネスクの原風景を立ち上げた「学校の怪談」。いまや日常の空間に入り込み増殖を続けるそれを多様な視座から揺さぶって、現代の〈闇〉の磁場と怪異へのまなざしを探査する。

はじめに――「学校の怪談」という問題系    一柳廣孝

第1章 「学校の怪談」に始まる――一九九〇年代ホラー小説ブームと都市伝説の関係をめぐって   東 雅夫

第2章 「学校の怪談」の映像誌   吉田司雄
 1 関西テレビ・宝塚映像版「学校の怪談」シリーズ
 2 東宝映画版「学校の怪談」シリーズ
 3 関西テレビ・アルタミラピクチャーズ版「学校の怪談」スペシャル・シリーズ
 4 「トイレの花子さん」シリーズ

第3章 「学校の怪談」と児童文学   宮川健郎
 1 「学校の怪談」の発見
 2 「学校の怪談」の再話
 3 「学校の怪談」の創造
 4 「学校の怪談」批判

第4章 「怪談の学校」がなくなったあとで   難波博孝
 1 最初の仮説――学校の事件が「学校の怪談」を駆逐した?
 2 「盛り上がり図式」への疑問
 3 「学校の怪談」はなぜ起こるのか――児言態の枠組みから考える
 4 「学校の怪談」を分類する
 5 「学校の怪談」がないということ
 6 「怪談の学校」はどこに
 7 「怪談の学校」がなくなったあとで

第5章 「花子さん」と呼ぶとき――学校口信夫と「怪談」(1)――お伽話の中心は怪談である
 4 折口信夫と「怪談」(2)――なぜ夏に怪談をするのか
 5 幽霊と妖怪と――今野圓輔『日本怪談集』の可能性と限界
 6 常光徹「学校の世間話」から始まったこと――「怪談」の不在
 7 〈口承〉としての「学校の怪談」へ――怪談の階段

おわりに    一柳廣孝

「学校の怪談」資料

内容説明

一九九〇年代に、書籍・映画・マンガ・テレビドラマと一大ムーブメントを築き上げ、ホラー・ジャパネスクの原風景を立ち上げた「学校の怪談」を多様な視座から揺さぶって、現代の“闇”の磁場を探査する。

目次

第1章 「学校の怪談」に始まる―一九九〇年代ホラー小説ブームと都市伝説の関係をめぐって
第2章 「学校の怪談」の映像誌
第3章 「学校の怪談」と児童文学
第4章 「怪談の学校」がなくなったあとで
第5章 「花子さん」と呼ぶとき―学校とリテラシーの近代から
第6章 「社交」と「ふるまい」―学校という舞台
第7章 民話運動と「学校の怪談」―その思想性をめぐって
第8章 怪談の階段

著者等紹介

一柳廣孝[イチヤナギヒロタカ]
1959年、和歌山県生まれ。横浜国立大学教育人間科学部助教授。専攻は日本近代文学・文化史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

へくとぱすかる

32
「学校の怪談」とは何だったのか。現実に子どもが体験して、口頭で語り継いでいった話、などと信じている人はいないだろう。少なくともそこにメディアがからんだ、創作としての怪談が含まれていることは、みんな承知である。ブームが起き、そして終わったあとの世界である今、口承文芸としての怪談、あるいはそれに類した話は成立するのだろうか。論文集として、この本のラストはそのような疑問を大いに投げかけている。怪談話の内容よりも、その伝承課程の洗い出し、解明こそが重要なのだ。2014/06/01

マグカップ

27
本書には「学校の怪談」に関するさまざまな研究内容がまとめられている。「学校の怪談」が大流行した理由は何だったのか。そして、子どもたちにとって「学校の怪談」はどのような存在だったのか。教育の歴史や子どものコミュニケーション方法、民俗学など、多岐にわたる視点からそれらの謎を紐解いていく。この本を契機に、「学校の怪談」、ひいてはその他の「怪談」や「子どもの文化」についての見識を深めていきたい。2021/09/07

ユラニト

7
『学校の怪談』の流行、映像化、書籍の発行を受けて児童の間でのブームなどについて各著者による研究。映画『学校の怪談』などは見ていなかったが自分も子供の頃に『怪談レストランシリーズ』を読んでいたので思い出深い。後半になると民俗学の研究のあり方や『怪談』という言葉の扱い方と内容が固くなり、私には難解だった。気になったのが『4章「怪談の学校」がなくなったあとで』今の学校には怪談がないと学校で起こった事件によって学校が怪談よりも怖いものとなってしまったと語るが、いささか強引に感じた。2024/03/30

ao-king

4
「学校の怪談」がブームとなった90年代は、ちょうどインターネットの環境が急速に整いつつあった時代でもある。それがそれまで地域範囲であった子供たちの情報共有の範囲を急速に広げ、結果として「学校の怪談」が子供たち共通の話題としてブームになったのではないだろうか。その反面、個々の学校に存在したオリジナルの怪談が失われ、どこでも似たような話ばかりになってしまったという事実は否めないと思う。少し残念。この本に紹介されている資料はどれも興味深いので、ここからさらにいろいろと読んでみたい本ができたのは嬉しい。2013/02/11

みーすけ

4
(借)ネットも無い時代に、ああも急速に広がっていた噂話(都市伝説のたぐい)。 ある時期を過ぎて急速に学校の怪談に始まるホラー話しが減った気がするが、それでも夏になると特番で放送される怖い話し系。 現実が虚構を超えても、それでも静かに繰り返し語られる事が怖い。 2012/09/15

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