〈音楽の国ドイツ〉の系譜学<br> 民謡の発見と“ドイツ”の変貌―十八世紀

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〈音楽の国ドイツ〉の系譜学
民謡の発見と“ドイツ”の変貌―十八世紀

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  • サイズ A5判/ページ数 318p/高さ 21cm
  • 商品コード 9784787273369
  • NDC分類 762.34
  • Cコード C0373

内容説明

「借用と模倣」を得意とする国民というドイツ人のアイデンティティは、十八世紀に、イタリアとフランスの音楽趣味を折衷する「混合趣味」の音楽を全盛期に導いた。だが十九世紀には、混合趣味は否定され、「固有」で「根源的」な“ドイツ音楽”が希求されるようになる。この“ドイツ的なもの”の構造転換をもたらしたものこそ、“フォルク”の歌謡としての「民謡」の発見だった。民謡がドイツ民族の精神的基盤となるまでのドラスティックな歴史のうねりを追う。

目次

第1部 音楽の国民様式論と混合趣味―“遅れてきた国民”のアイデンティティ・ポリティックス(音楽の国民様式論とそのドイツでの展開;混合趣味と「ドイツ的なもの」;混合趣味の精神からのドイツ古典派の誕生)
第2部 混合趣味の衰退と「ドイツ的なもの」の転換(音楽におけるヨーロッパ意識の登場と「国民的なもの」の消滅;国民的音楽の不在?―バーニーの『ドイツ旅行記』が巻き起こした論争;マールプルクによる混合趣味批判;ヘルダーと民謡の発見)
結語 「国家でなく民族」

著者等紹介

吉田寛[ヨシダヒロシ]
1973年生まれ。東京大学大学院人文社会系研究科(美学芸術学)博士課程修了。博士(文学)。同研究科助手、助教を経て、立命館大学大学院先端総合学術研究科准教授(表象領域)。専攻は美学、感性学、表象文化論(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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KAZOO

8
この本は「〈音楽の国ドイツ〉の系譜学」シリーズ全三巻のの第二巻です。まだ第一巻は読んでいません。ドイツの18世紀における音楽の動向を分析評価したもので、最初はフランスやイタリアの趣味などの模倣を行っていたものが、ヘルダーによるそれらの非ドイツ的なものからの脱却を図るとともにドイツの民謡に基本を求めていくという動きを書いています。博士論文を集めて編集したものらしく注釈や参考文献がしっかりしています。決して読みやすいものとは言えませんがドイツの音楽史を研究する人にはいいのでしょう。2014/01/23

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