青弓社ライブラリー<br> 女はポルノを読む―女性の性欲とフェミニズム

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青弓社ライブラリー
女はポルノを読む―女性の性欲とフェミニズム

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  • サイズ B6判/ページ数 246p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784787233103
  • NDC分類 367.9
  • Cコード C0336

内容説明

女性もポルノグラフィを楽しんでいる―。男性特有のものと特殊視されやすい「ポルノを読む」経験をそのくびきから解き放ち、「女性たちがどのようなポルノを読んでいるのか」「どう楽しんでいるのか」「女性向けポルノはなぜマンガなのか」などを「ハードなBL」「レディコミ」雑誌を大量に読み込み、読者投稿を分析することで明らかにする。そのうえで、フェミニズムのポルノ批判が女性の性欲=性的能動性を取りこぼしている点を指摘して、快楽的な性に対する女性の能動性を肯定し、ポルノを消費する主体としての可能性を丁寧に論じる。

目次

第1章 フェミニズムとポルノグラフィ批判
第2章 女性向けポルノグラフィの成立史
第3章 女性向けポルノコミックの読者
第4章 女性向けポルノと男性向けポルノ
第5章 女性向けポルノはなぜマンガなのか
第6章 ポルノグラフィのために―フェミニズムからフェミニズムへ

著者等紹介

守如子[モリナオコ]
1972年生まれ、北海道大学文学部卒業、お茶の水女子大学大学院修了(博士:社会科学)。現在は関西大学社会学部専任講師。専攻はジェンダー研究(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

鱒子

53
図書館本。フェミニズムから男性ポルノを批判する女性は、自己のセクシュアリティを語れないジレンマに陥った。BLこそが女性ポルノの草分け∑(゚Д゚) とは!。それ以前は体験告白形式で、ポルノの意図があるにせよ あくまでも手記の体裁であった。BL作家を招き男女に置き換えたものを載せたのが商業誌としてのレディコミの始まり。非常に面白いテーマで興味深く読みました。しかし、論文調で読みにくかったのも事実です。2018/08/21

内島菫

32
女性向けのポルノであるレディコミやハードなBLと呼ばれる漫画誌に掲載されている作品の傾向だけでなく、それらの読者の投稿や企画も紹介されており、編集側と読者の双方が積極的に女性の性を楽しもうとしている様子が伺える。性欲が本能であったとしても、それが必ずしも生殖と結びつかないことや、実際の性行為においても様々な状況やシチュエーション、物語が作り出されていることを考えると、ポルノはファンタジーであり、むしろファンタジー(本質的でない、安全)であるからこそ演技としてのSMやレイプも楽しめる。2017/01/20

またの名

19
日本でのレディースコミックの普及を「マスコミの流した偽情報」と断定したという、ポルノ規制派フェミ思想家マッキノン。あるいは保守的な道徳主義や母親運動のように青少年への有害な影響に反対する態度のせいで、女性自身が性欲を持ちポルノを楽しむ事実を抑圧する議論とは、距離を置く。女性向けの方が行為に至る物語を重視する等の俗説を統計をもとに退けつつ、作品を好悪含めどのように受け取るかは人によって多様なので筆者の独断的解釈ではなく個々の読者の感想から組み立てた分析。読後、攻めと受けの描写が秘める巧妙なテクに詳しくなる。2017/07/10

gtn

12
大学生を対象にしたアンケートによると、性交率は男女ともに約6割だが、自慰経験率は男性がほぼ100%であるのに対し、女性は約5割と格差がある。著者は自らの経験から、それを女性の性的欲望を罪悪と捉える旧弊だと仮定する。そのうえで、現在、圧倒的に男性目線のポルノグラフィを、少しでも女性側に引き寄せようとする。男性は映像等リアリティが中心だが、女性はレディコミやBL等物語と美しさを求める傾向にあるなど、興味深い分析も多い。2019/08/26

NICK

9
図書館においてあったのでなんとなく手に取ってみた。流し読み。第一章のあたりは、フェミニズムも色々なのだなぁ、という印象だったが、以降の作品分析は面白かった。レディコミ、ハードBLという女性ポルノと美少女コミック、エロ劇画による男性ポルノを比較し、需要形態や表現形式を論じる部分が特に興味深かった。個人的に心に残ったのは、BL分析を通じて、男/女という区別はポルノ文化において攻め/受けを表現するためのおもちゃにすぎない、とする箇所。2010/06/10

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