青弓社ライブラリー<br> 家族と格差の戦後史―一九六〇年代日本のリアリティ

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青弓社ライブラリー
家族と格差の戦後史―一九六〇年代日本のリアリティ

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  • サイズ B6判/ページ数 231p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784787233080
  • NDC分類 367.3
  • Cコード C0336

内容説明

映画のヒット、当時の社会状況や文化を紹介する書籍の相次ぐ刊行などを受けて「昭和30年代」がブームになり、ノスタルジックな商品・消費はもはや定着したといってもいい。温かな地域コミュニティがあり、貧しいながらも夢や希望にあふれた時代と捉えられている高度経済成長初期は、しかし現実的にはどのような社会状況だったのか。1965年のSSM調査に残る貴重なデータを使い「思い出語り」を剥ぎ取るなかで見えてくる当時の家族の実態や世帯収入、職業、格差の現実を、いくつかの具体的なテーマから照らし出す。戦争の爪痕が残る「昭和30年代」の家族構成や厳しい所得格差を明らかにして当時のリアリティを浮き彫りにする。

目次

はじめに―よみがえる一九六〇年代の家族と生活
第1章 一九六五年の日本―社会背景と問題の所在
第2章 激変する社会の多様な就業構造
第3章 三丁目の逆光/四丁目の夕闇―性別役割分業家族の布置と貧困層
第4章 転換期における女性の就業
第5章 独身男の肖像
第6章 戦後社会にみる戦争の影響
第7章 社会階層における前近代と近代

著者等紹介

橋本健二[ハシモトケンジ]
1959年、石川県生まれ。武蔵大学教授。専攻は理論社会学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ゆう。

18
1965年のSSM調査を使用しながら、当時の家族の実態を研究し、現代に問いかけるものは何かを考察した本です。階級や身分によってどのような階層が生み出され、格差が生み出されているのか、丁寧に分析されていました。また就業構造の変化が家族に及ぼした影響についても研究されていました。2016/06/28

Chicken Book

6
これまで見過ごされていた1965年の人口構成、人口動態を分析した本。この時代の父親の職業に関する回答に「武士」とか「奉行」があって、それを「常雇・役職なし」とか「部長・局長」に分類してるのは面白い。地主の子は7割以上が高等小学校、小作人の子は2割に満たなかった。昔からこんなもんか。。○現代の階層構造は、さしあたっては現時点の経済構造・職業構造と、資源の配分状況によって把握されるだろう。しかしその背後では、前近代の階層構造が、依然として影響力を保持しているのである。2021/10/09

Yuuki Terada

1
著者のひとりの先生から2010年にもらったものをようやく読みました(ごめんなさい)。そうであったかのように語られている社会に対してデータによって疑って、改めて社会像を明らかにしている。タイトルよりはサブタイトルの「1960年代日本のリアリティ」のほうが本の内容に合っている。2015/01/07

笠井康平

1
「戦後日本の近代家族」がどんな働き方をしていたか。歪んだ懐古に目がくらむことなく分かります。編者たちは、1965年に行われた「社会階層と移動の全国調査」の調査票原本を見つけ、大変な労力をかけてデータ化し、こまかく分析しています。「計量社会学」と呼ぶべき研究領域の開拓です。2013/07/21

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