精神病院の社会史

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  • サイズ A5判/ページ数 204p/高さ 21cm
  • 商品コード 9784787233042
  • NDC分類 498.16
  • Cコード C0036

内容説明

「精神病」患者を受け入れて癒しの場になっていった高尾山の滝治療、のちに陸軍病院となる衛戍病院精神病室、私立の精神病院の数々―。多くの史料をもとに民間療養の場所が「精神病院」になっていく歴史を描き、精神病院と地域の関係性を照らし出す。

目次

第1章 精神障害者の癒し場、東京高尾山滝治療(高尾山の歴史;清滝・表参道;琵琶滝;蛇滝;一九二七年以後の絵地図と府立松沢病院;多摩御陵の小林病院)
第2章 東京の精神病院(「精神病院」誕生への道筋;明治・大正期の創設群;昭和前期の創設群;戦後に閉院となった東京の私立精神病院)
第3章 衛戍病院精神病室(衛戍病院とは;私立精神病院との関係)
第4章 柴田桓要と精神病院黎明期(開設者、田辺日草;柴田桓要)

著者等紹介

金川英雄[カネカワヒデオ]
昭和大学医学部・慶應義塾大学文学部を卒業。昭和大学大学院医学研究科博士課程修了。昭和大学付属烏山病院、昭和大学医学部助手を経て、東京武蔵野病院勤務、現在、外来部長。聖母大学、東京家政大学兼任講師を経て、現在、帝京平成大学客員教授。精神保健指定医、医学博士、日本心身医学会評議員、日本病跡学会理事など

堀みゆき[ホリミユキ]
聖和看護専門学校・慶應義塾大学文学部を卒業。心身障害児総合医療療育センター、東京家政学院勤務を経て帝京平成大学講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

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gtn

9
高尾山における滝治療。精神病に及ぼす影響は、まれに良くなることがあるが、一般的には不良で、大正5年中も8名の死亡者が出たという。明治以降、西洋医学が入ってきても続けられた滝行。犠牲者には目をつぶり、たまに出る治癒事例にのみ注目し、御利益の霊験あらたかといって生き残ってきたのだろう。迷信は往々にして弱者に害を与える。2018/11/25

seychi

1
最近とあるきっかけでこの手の本を読んでるんだけど、金字塔と呼ばれる呉秀三の「あの本」は今の時代にも別格というものだという事を他の本を通して知った。逆に言えば「あの本」のサブテキストとして併読するにはとても適してる内容だった。特に高尾山に関する調査はとても秀逸だと思う。都内の病院の配置の考察も的を射てるものがあり全体としてとても勉強になった。2015/07/02

sabato

0
護摩行(p59)、まるでインディーズ時代のXのギグみたいだなwwww酸欠状態を起こして神秘体験をさせるってwwww主に東京の精神病院の歴史で、あと高尾山の新しいガイドブックですねwこれもって今度東京観光しようとおもったw2015/12/03

石橋

0
あぁあそこそうだったの!!的な驚きがあった。 江戸末期・明治・大正の精神医学史って資料が少ないので非常に興味深いし、これからの医療のためにも近代精神医学史の一助としてそれに携わる人はぜひ読むべき。2013/01/24

メロン泥棒

0
日本における精神病院の歴史。4章からなる。特に全ページ数の約半分を占める高尾山に関する調査は圧巻。精神病者の療養所としての高尾山について詳細に調査されている。高尾山の歴史としてみても読み応えがある。一方、明治以降に整備された精神病院についてはほぼ東京の病院のみ。明治大正では東京大学の医者が通勤しやすいようにと東大を中心として病院が建てられたという経緯が面白い。精神病院と高尾山に興味がある人にお勧め。2010/06/10

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