勝手に撮るな!肖像権がある!増補版 (増補版)

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勝手に撮るな!肖像権がある!増補版 (増補版)

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  • サイズ B6判/ページ数 326p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784787232557
  • NDC分類 324.55
  • Cコード C0036

出版社内容情報

街頭の「防犯」ビデオ、事件の容疑者や被害者の顔写真、高速道路での記録撮影――監視カメラに包囲された現代社会でいつでも・誰でも侵される肖像権を膨大な裁判記録で整理し、撮影も公表も本人の承諾が必要だと訴える。初版後の判例も収めた増補・決定版。

増補版の序文

はじめに――撮影・公表についての各国ルールの概観
 1 早々と判例を作った国=フランス
 2 肖像の保護には消極的な国=イギリス
 3 プライバシー権で処理する国=アメリカ
 4 法律を作って対処した国=ドイツ
 5 日本は一世紀遅れでフランスを後追い

第1部 刑事法廷で生まれたルール

第1章 警察官による撮影から始まった
 1 撮影を違法とした最初の判決
 2 練り上げられていった写真への視点
 3 最高裁が「みだりに撮影されない自由」を承認

第2章 無断で撮影できる場合がある
 1 警察官が無断撮影できる条件を模索
 2 警察官による無断撮影の条件が確定
 3 一般私人への拡張も十年で完了

第3章 撮影の目的と撮影の必要性・緊急性
 1 労務対策のための撮影
 2 訴訟準備のための撮影
 3 特殊な目的での撮影
 4 アマチュア写真家の事件現場の撮影
 5 報道目的での撮影

第4章 相当の方法での撮影が要求される
 1 法令に違反しての撮影
 2 拒否を無視しての強引な撮影
 3 至近距離からの撮影、フラッシュ撮影
 4 身をひそめての撮影

第5章 撮影行為が刑事事件になるとき
 1 警察・検察による証拠写真の押収
 2 肖像の公表が名誉毀損罪になる場合
 3 自救行為はどこまで認められるか
 4 刑事事件判決が新聞界に大きく影響
 5 刑事事件が写真週刊誌全体に影響
 6 関係各界は判決にきわめて敏感
 7 刑事裁判では明らかにされなかった点
 8 刑事法廷で生まれたルールの概要

第2部 民事法廷で生まれたルール

第1章 肖像は無断撮影・公表から守られる
 1 撮影・公表とも承諾を得るのが原則
 2 確認された「承諾が必要」の原則
 3 私有地での撮影も承諾が必要
 4 私有財産の無断撮影・公表も権利侵害
 5 写真が名誉を傷つけるとされていた
 6 撮影がプライバシーを侵害することがあった
 7 写し取る手段は写真だけではない
 8 保護されるのは肖像だけではない
 9 肖像の営業的利用には承諾が不可欠

第2章 撮影・公表の承諾に必要とされる条件
 1 撮影・公表への承諾のあり方が明らかに
 2 撮影・公表への承諾は被撮影者を拘束する
 3 明らかな拒絶がなければ承諾とみなされる
 4 撮影への承諾が公表も承諾したとはかぎらない
 5 契約内容を超えれば承諾のない公表
 6 撮影時の承諾は第三者にも有効
 7 ヌード・水着写真の公表は改めて承諾が必要

第3章 無断で撮影・公表できる場合がある
 1 民事の肖像権侵害事件に初の最高裁判決
 2 模索の続いた無断撮影の判断基準
 3 下級審の基準の中心は刑法二三〇条の二
 4 刑法基準だけでは足りなかった
 5 公益目的での肖像の無断利用は可能だった
 6 公共性・公益目的を欠けば承諾は不可欠だった
 7 明らかになった最高裁の肖像権像

第4章 受忍限度内の方法での撮影・公表が必要
 1 受忍限度内と思われる撮影・公表方法
 2 受忍限度を超すと思われる撮影・公表方法

第5章 写真の撮影・公表と民事事件
 1 民事でも目立つ警察関連の事件
 2 敗訴はしたが警察の提供写真を改変
 3 公共性の認められる人物の肖像
 4 法廷の撮影要求が訴訟対象に
 5 判決への出版業界の反応は例外的
 6 テレビも無風地帯ではなくなった
 7 著名人の肖像をめぐるトラブルが続発
 8 民事法廷で生まれたルールのあらまし

第3部 法廷の外で生まれたルール

 1 「お貸し下げ写真」から代表取材へ
 2 公人のプライバシーにかかわる写真
 3 犯罪少年の写真は掲載しないルール
 4 残虐写真は掲載しないルール
 5 解禁になったヘアヌード写真
 6 人命が危機にある場面の撮影
 7 犯罪・事故などの被害者の写真
 8 刑事法廷の代表撮影
 9 人物写真をめぐるそのほかのルール

あとがき

写真・肖像権関係判決一覧

内容説明

街頭の「防犯」ビデオ、事件の容疑者や被害者の顔写真、高速道路での記録撮影―。監視カメラに包囲され、カメラつき携帯電話でいつでも・誰にでも撮影が可能な現代社会でプライバシーとともに侵されやすい肖像権の確立を、民事・刑事の膨大な裁判記録を整理して提起する。

目次

はじめに―撮影・公表についての各国ルールの概観(早々と判例を作った国=フランス;肖像の保護には消極的な国=イギリス ほか)
第1部 刑事法廷で生まれたルール(警察官による撮影から始まった;無断で撮影できる場合がある ほか)
第2部 民事法廷で生まれたルール(肖像は無断撮影・公表から守られる;撮影・公表の承諾に必要とされる条件 ほか)
第3部 法廷の外で生まれたルール(「お貸し下げ写真」から代表取材へ;公人のプライバシーにかかわる写真 ほか)

著者等紹介

村上孝止[ムラカミタカシ]
1933年、愛媛県生まれ。早稲田大学文学部卒業。主な職歴は、日本新聞協会審査室長、マスコミ倫理懇談会事務局長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。