出版社内容情報
病への不安が集団強迫と化した健康志向を文化的・政治的言説としてとらえ、それを成立させたメディア空間の発生を、身体をめぐる医学的まなざしの変容、公衆衛生思想の運動と表象、総力戦での人的動員などの歴史にたどって現代を照射する、日常性批判の試み。
はじめに 金子 淳
第1章 メディア仕掛けの「健康」 野村一夫
1 健康ブームの眺め方
2 健康食品の定着過程
3 旋律を奏でる健康言説と伴奏する健康言説
4 近代医学を模倣する
5 伝統回帰と減算主義
6 蘇生するレトロな道徳
7 身体アイデンティティの救済
8 メディアの終わりなき循環
9 健康ブームを眺め直す
第2章 健康の誕生 北澤一利
1 健康概念の起源
2 西洋医学の移入と身体認識の変化
3 健康の「誕生」と生理学イデオロギー
4 西洋医学化と杉田玄白の「革命」
5 養生と健康の違い
6 こぶとりじいさんと現代人
第3章 近代日本の健康と衛生 田中 聡
1「養生」「衛生」「健康」
2 衛生展覧会について
3 病気と対策
4 恐怖のイメージ、清潔のイメージ
5 衛生展覧会と健康ブーム
6 健康の個人化
第4章 戦争と健康 高岡裕之
1 一九三〇年代の「健康」ブーム
2 労働者と健康
3 ハイキング・ブーム
4 一九三〇年代の「健康ブーム」の位相
5「国民体位低下」問
内容説明
マスメディアが仕掛け、人びとがそれに応えるかたちで空前の過熱ぶりを見せている「健康ブーム」。テレビに雑誌、街頭の広告からスーパーの売り場にいたるまで、なんらかの栄養学的蘊蓄に遭遇しない日はもはや一日もない。病への不安があたかも集団強迫と化し、無数の癒し系グッズや「体にいい」健康食品が異常なまでに売れつづけるのはなぜなのか。「健康」を文化的・政治的言説としてとらえながら、それを成立させた近代的なメディア空間の発生を、身体をめぐる医学・生理学的眼差しの変容、公衆衛生思想の運動と表象、総力戦にともなう人的資源の動員などの歴史にたどって現代を逆照射する、アクチュアルで実践的な日常性批判の試み。
目次
第1章 メディア仕掛けの「健康」(健康ブームの眺め方;健康食品の定着過程 ほか)
第2章 健康の誕生(健康概念の起源;西洋医学の移入と身体認識の変化 ほか)
第3章 近代日本の健康と衛生(「養生」「衛生」「健康」;衛生展覧会について ほか)
第4章 戦争と健康(一九三〇年代の「健康」ブーム;労働者と健康 ほか)
第5章 現代社会と健康の科学(もはやブームではない;リスクの提示 ほか)
著者等紹介
野村一夫[ノムラカズオ]
1955年、大阪府生まれ。国学院大学教授、専攻は社会学・メディア文化論
北沢一利[キタザワカズトシ]
1963年、静岡県生まれ。北海道教育大学釧路校助教授、国際日本文化研究センター客員助教授併任、専攻は健康管理政策論
田中聡[タナカサトシ]
1962年、富山県生まれ。ライター
高岡裕之[タカオカヒロユキ]
1962年、奈良県生まれ。都留文科大学助教授、専攻は日本近現代史
柄本三代子[エノモトミヨコ]
宮崎県生まれ。法政大学ほかの非常勤講師、専攻は身体の文化社会学
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ああああ
Haruka Kozuka
肉ちゃん