出版社内容情報
テレビ番組の「血液サラサラ」に顕著な科学性をまとった健康言説の氾濫と、それを積極的に受容して健康食品や健康補助薬を摂取することに快楽を見いだす視聴者たち。自分の健康を語ることが強迫と化した現代の、科学と食品と身体の社会的な構造を検証する。
はじめに
第1章 ネオ公衆衛生時代の大衆文化――何が問われているのか
1 「身体の社会学」と「健康と病の社会学」
2 ネオリベラリズムと新しい公衆衛生――少子・高齢化社会というリスク言説
3 科学化される社会
4 大衆文化としての健康と科学
第2章 ヘルスリテラシー――自己による自己の身体統治のために
1 健康の名のもとにやせる
2 食をとおした身体コントロール
3 ヘルスプロモーション活動に介在する知
4 知識と実践――能弁に語る従順な「人口」
第3章 ワイドショーにおける健康の科学的リアリズム
1 科学的知はどう機能するのか
2 隠れた健康効果とリスクを暴露する科学的知
3 説明しない専門家/説明する素人――科学的リアリズムのパラドクス
4 実感できない身体比喩――血液サラサラ
5 科学的リアリズムを支えるのは誰か
第4章 テレビジョンの外へ!――科学言説の積極的活用
1 素人たちの実践と活用
2 ココアブームを追え!――そしてポリフェノールだけが残った
3 健康科学への投資――商品への適切な提案
4 「野菜がたく
内容説明
いま、健康はどのように語られているのか。テレビをはじめとした健康情報のなかで発せられる専門家たちの科学的言説と、それを楽しみに変えてしまう人々の実践。そこから見えてくるのは、健康言説を取り巻く快楽と禁欲の終わりのない螺旋運動である。はたして、健康であることは絶対的な価値なのか?健康情報番組は、なぜ飽きられないのか?健康と科学の親密な関係が、いったい私たちの身体に何をおよぼそうとしているのか?「少子・高齢化社会」というマクロ言説と、「今晩のおかずを何にするか」というミクロ言説を結びつける健康という場を、緻密に検証する。
目次
第1章 ネオ公衆衛生時代の大衆文化―何が問われているのか(「身体の社会学」と「健康と病の社会学」;ネオリベラリズムと新しい公衆衛生―少子・高齢化社会というリスク言説 ほか)
第2章 ヘルスリテラシー―自己による自己の身体統治のために(健康の名のもとにやせる;食をとおした身体コントロール ほか)
第3章 ワイドショーにおける健康の科学的リアリズム(科学的知はどう機能するのか;隠れた健康効果とリスクを暴露する科学的知 ほか)
第4章 テレビジョンの外へ!―科学言説の積極的活用(素人たちの実践と活用;ココアブームを追え!―そしてポリフェノールだけが残った ほか)
第5章 科学をめぐる精緻化と悪用のスパイラル(フードファディズムと「煽られる大衆」;ネオ公衆衛生時代の食品分類と栄養機能主義 ほか)
著者等紹介
柄本三代子[エノモトミヨコ]
宮崎県生まれ。早稲田大学大学院文学研究科博士後期課程社会学専攻修了。千葉商科大学、法政大学、東海大学、東京福祉大学、横浜市立大学非常勤講師。東京大学大学院医学系研究科客員研究員。専攻は身体の文化社会学
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Schuhschnabel
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