寺子屋ブックス
性のグラデーション―半陰陽児を語る

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  • サイズ B6判/ページ数 192p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784787231758
  • NDC分類 367.9
  • Cコード C0336

出版社内容情報

現在、誕生の段階で手術によって強制的に性を決定されてしまう半陰陽(インターセックス)児の「性の自己決定」を考える。性には男と女だけでなく多様な形態があることを主張し、同時に半陰陽への対応と支援を詳細にガイドする。

1 身体の性とジェンダーを語る
 (1)私が私を語るまで
 (2)主張を始めたインターセックス
 (3)私が私を語りはじめて何が変わったのか?

2 人間の「十個の性」と「一個の生」――ミルトン・ダイアモンド博士のガイドラインから
 (1)人間の身体の性とジェンダーとは何か?
 (2)インターセクシュアリティ――半陰陽の性のありよう
 (3)性の自己診断と性の自己責任
 (4)個人としてのアイデンティティの確立「一個の生」

3 性の自己決定・実践編――ミルトン・ダイアモンド博士のガイドラインから
 (1)沈黙の陰謀
 (2)我慢と辛抱は万病のもと――失敗してもええやないか
 (3)当事者とその家族への支援と対応

4 性のグラデーション
 (1)インターセックス・チルドレン (半陰陽児)を語る――私の講演記録
 (2)日本福祉大学で語る
 (3)性を人権として語る
 (4)医療・看護・福祉学生に語る
 (5)私を語る――「男女共同参加社会事業」とは何か?
 (6)次世代の子どもたちに語る――大阪府高石市立清高小学校の性教育の実践記録

5 エピローグ――インタ

内容説明

自分の性は自分で決める、それがあたりまえだ!男性でも女性でもないインターセックス(半陰陽)の人々は、医療関係者の認識不足のため、誕生の段階で、手術によって男性ないし女性に決められてしまう。それが本人のためだと医療関係者も家族も信じているが、しかし、本人のためには、性意識が確立する思春期まで性の決定を保留にしておかなければならないのだ。男性と女性しか存在しないという偏見を打破し、性には多様な形態があることを常識として定着させるため、著者はみずから率先して自分の性を語る。当事者のみならず、医療関係者・教育関係者にとって必読の書。

目次

第1章 身体の性とジェンダーを語る
第2章 人間の「十個の性」と「一個の生」―ミルトン・ダイアモンド博士のガイドラインから
第3章 性の自己決定・実践編―ミルトン・ダイアモンド博士のガイドラインから
第4章 性のグラデーション
エピローグ―インターセックスの認知を求めて

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

158
妊娠出産に際して「男の子か女の子か?」を気にしたり、幼稚園をはじめ、学校生活は男女で分かれて何かをすることが多く、それらはいずれも当たり前に思われ行われてきた。しかも日本には「半陰陽」とか「ふたなり」「両性具有」なんて言葉が古くからありながら、その真相はほとんど明かされず、せいぜい男女両方の性器を持ってるんだろうなんて程度の想像しかされない。実際は外性器、内性器、性染色体、性腺、尿道口の状態の組み合わせで何十種類もの症状がある上、本人の性自認や戸籍、医師の判断、二次性徴の発現、性指向など(コメントへ続く⇒2014/07/19

Jane Doe

2
先に読んだ『男でも女でもない性』より、とても理解しやすい文体、内容になっていると思う。セクシャルマイノリティだけでなく、あらゆる差別、偏見が無知から引き起こされる。知ることってとても大切だなあと改めて思った。医療関係者の現在の認知度はどんなもんなんだろう?!2011/06/19

ふみなし

0
大学の授業(ジェンダー論)で興味を持って。性染色体のパターンはXXとXYしかないわけではなく、X0だったり、多かったり、モザイクだったり……そのほか身体的な状態や本人の性自認などを考慮すれば、性をそれぞれの個性と捉えることが自然だと考えられるようになる本。LGBT、トランスジェンダー、不妊サークルを回ったが何処も性別二元論が根底として存在し、半陰陽者の居場所はなかったと著者は述べている。性が個性として受け止められるようになれば、性嗜好や性機能の有無に囚われない生き方をできるのではないかと思うようになった。2016/11/30

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