出版社内容情報
東大病院闘争時から一貫して自主管理・自主看護を掲げて闘いつづけた著者の、30年にわたる精神医療改革運動の総括。事件の推移を客観的に整理し、反対派のものも含めた史料の再検討によって、運動・闘争の歴史的意義をあらためて問いなおす。
はじめに
序
1 学会運動と東大精神科の二十年
2 東大精神科の統合過程の報告
(1)はじめに――年表・東大精神科の軌跡
(2)第六期――宇都宮病院問題から精神衛生法改正へ
(3)第七期――自主管理体制の終結と診療統合
(4)第九期――組織統合
資料編
①一九六八・一〇・二一 東京大学精神科医師連合設立宣言
②一九七四・三・一 「刑法改正、保安処分に反対する百人委員会」趣意書
③一九九二・二・一二 精神神経科の診療体制について(科長会での声明)
④一九九三・四・五 第一回合同宇都宮病院問題シンポジウムにおける富田の発言
⑤一九九三・六・一 診療統一についての教授の口頭声明
⑥一九九三・八・一六 第一回宇都宮病院問題シンポジウムを受けての医師会議としての総括
⑦一九九三・一二・一三 第一回宇都宮病院問題シンポジウムを受けての教室員会議の見解
⑧一九九四・七・一一 第二回宇都宮病院問題シンポジウムを受けての医師会議の見解
⑨一九九四・一一・二二 分院神経科の宇都宮病院問題についての見解
⑩一九九四・一二 精医連声明――東会議 声明・精神保健法案を弾劾する
⑧一九八六・三 精従連 精神衛生法「改正」問題に関する緊急アピール
⑨一九九〇・四 「精神科医療領域における他害と処遇困難性に関する研究」の「研究結果要旨」
⑩一九九一・七・一五 公衆衛生審議会「処遇困難患者対策に関する中間意見」
補論 指定医制について
内容説明
東大医師による人体実験。三年間で二百人を超える死者を出した宇都宮病院事件。日本の精神医療現場における倫理観の欠如は真に克服されたのか。東大闘争に端を発する医療改革運動三十年の意義を、膨大な史料を構成して検証する。
目次
第1章 学会運動と東大精神科の二十年
第2章 東大精神科の統合過程の報告
第3章 精神衛生法改正と処遇困難者専門病棟問題の回顧―中山宏太郎氏の軌跡をめぐって
補論 指定医制について