出版社内容情報
1980年代以降、既成の概念を超えて続発する凶悪な犯罪は何を反映しているのか? 処罰/保護の境界消滅を析出し、近代に形成された「責任」原理の終焉と 「責任」を負わせる「主体」の崩壊を解読。システムに介入された社会の変容をさぐる。
はじまり
1 〈責任〉はどこからきたか――刑事責任の誕生
2 大人の〈責任〉――犯罪と「狂気」
(1)「理性的人間」の誕生――「狂気」の刑事責任史
(2)「わけのわからない」犯罪への前奏――金属バット殺人事件
(3)理性/狂気のボーダーが消える――パリ留学生バラバラ殺人事件
(4)「システム」の犯罪――連続幼女誘拐殺害事件
(5)たったひとりの「戦争」――佐賀同窓会爆殺未遂事件
(6)「主体」の解体、〈責任〉の消滅――福岡美容師バラバラ殺人事件
3 子どもの〈責任〉――本当にいま子どもは「未熟」であるのか
(1)「非行少年」の誕生――子どもの刑事責任史
(2)こどもは「小さな大人」になった――目黒区中学生両親祖母殺害事件
(3)死刑か保護か――大高緑地アベック殺害事件
(4)大人/子どものボーダーが消える――広島教え子殺害事件
(5)変容する「いじめ」――愛知いじめ死事件
(6)「透明な存在」の叛乱――神戸児童連続殺傷事件
おしまい
増補版へのあとがき
内容説明
既成の概念を超えて続発する凶悪な犯罪を検証して処罰/保護の境界消滅を析出し、近代刑法が前提とする「責任」原理の終焉と、「責任」を負わせる「主体」の崩壊を解読する。
目次
1 「責任」はどこからきたか―刑事責任の誕生
2 大人の「責任」―犯罪と「狂気」(「理性的人間」の誕生―「狂気」の刑事責任史;「わけのわからない」犯罪への前奏―金属バット殺人事件;理性/狂気のボーダーが消える―パリ留学生バラバラ殺人事件 ほか)
3 子どもの「責任」―本当にいま子どもは「未熟」であるのか(「非行少年」の誕生―子どもの刑事責任史;子どもは「小さな大人」になった―目黒区中学生両親祖母殺害事件;死刑か保護か―大高緑地アベック殺害事件 ほか)