内容説明
家庭の料理作りを担っていた大多数の母親たちは、無謀な戦争に突入しようが、敗戦で甚大な被害を受けようが、台所に立った。「この子らに食べさせなきゃ!」あるものをおいしく食べる方法に知恵を絞って胃袋を満たしていった。台所に敗戦が入り込む隙間などなかっのだ。飽食のいま、食糧難が生んだ和食文化を食べる!
目次
第1章 すき焼き
第2章 サンドイッチ
第3章 うどんとマカロニ
第4章 ねぎま
第5章 人工葡萄酒
第6章 おしるこ&珍スイーツ
第7章 カルピスもどきと代用コーヒー
第8章 玉子チーズ
著者等紹介
魚柄仁之助[ウオツカジンノスケ]
1956年、福岡県生まれ。食文化研究家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
更紗蝦
21
80年代に古道具屋を営んでいた関係で、古い主婦雑誌の付録料理本を入手した著者が、昭和の料理の変遷や創意工夫を検証した本です。凄く面白かったのですが、ちょっと気になったのは、料理雑誌は紙面を埋めるために苦し紛れのやっつけレシピを無理やり載せる場合というのがあり、私が知る限りでは創刊当時のレタスクラブはかなり酷かったですし、私が以前通っていた料理教室の先生も「創刊当時のオレンジページは酷かった」と言っていたので、戦前・戦中の雑誌も「ライターの苦し紛れ記事」があった可能性を考慮すべきなのでは…と思いました。2018/07/06
宇宙猫
19
★★★ 昭和の前半の和洋折衷なお料理について。サンドウィッチに柚子味噌を使ったりハンバーグを挟んだり、今より攻めてて美味しそう。100年たったら令和はこんな料理を作ってた、なんて本が出るのかな。2021/03/07
北本 亜嵐
18
「すきやき」や「サンドイッチ」等、おなじみの食事、昔はどんな風だったのか?著者は当時のレシピを用いて忠実に再現しているが、今ではあり得ない程のとんでもなさ。そのバイタリティさに拍手を送りたくなります(笑)理屈ぬきで面白かった。2015/12/24
シルク
17
……(゚p゚)ゴクリ 「撮影の都合で夜どんなに遅くなるやうなことがあつても、母がちやんと待つてゐてくれて、温いご飯に、私の好きな牛肉と玉葱のバタ炒めのお菜を作つてくれます。これが何よりの御馳走なんです。一日たまつた話を、あれやこれやとおしやべりしながら頂いてると疲れもどこかへ吹つ飛んでしまふほど。」(「名士と人気者の千人料理」『主婦之友』1938年1月号付録)(p.21)高峯三枝子さんの記事。牛肉と玉葱の炒めって、「炒めにでもするか」ってんでよくやるけど、この記事を読んで、自分の中で特別なおかずに昇格。2018/06/05
クサバナリスト
8
パラパラ読み。今では考えられないレシピがいっぱい。2015/10/28