死の衝動と不死の欲望―脳死・自殺・臨死の思想

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死の衝動と不死の欲望―脳死・自殺・臨死の思想

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  • サイズ B6判/ページ数 270p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784787210241
  • NDC分類 490.15
  • Cコード C0010

出版社内容情報

身体を機械化し、死を真空化する近代医療の彼方にあるものは何か? 東洋医学・心理学・哲学の知見を交差させ、自殺の心理と死の瞬間の意識を照射し、死の意味を解読する。死と生の欲望に引き裂かれた人間存在の限界についての考察。

まえがき

1 脳死・臓器移植について
 (1)議論の整理
  ①なぜ問題なのか
  ②さまざまな立場
  ③三つの脳死
 (2)脳死・臓器移植のパラダイム
  ①原子論、機械論、因果論
  ②物心二元論
  ③脳中心主義
  ④大脳中心主義
  ⑤不可避の脳移植
  ⑥大脳は自己意識の座ではない
  ⑦自己意識中心主義
  ⑧人間中心主義
  ⑨自己意識中心主義プラス人間中心主義
  ⑩人間サイボーグ化
  ⑪人間ロボット化
  ⑫功利主義
  ⑬極限利用主義
  ⑭無脳児の利用
  ⑮人体資源論
  ⑯功利主義に抗して
  ⑰進歩という神話
  ⑱カニバリズム
  ⑲善悪二元論
 (3)現実的になにが可能か
  ①しかし、脳死・臓器移植を否定することはできない
  ②人はいつ死ぬか――ドナーの立場から
  ③臓器摘出のための暫定的な死
  ④臓器摘出のためのその他の条件
  ⑤移植が必要となるとき――レシピエントの立場から
  ⑥移植の必要性を減らすこと
  ⑦臓器移植はどこまで許されるか
  ⑧まとめ

2 自殺の心理から死の意味に解放される
  ③死の瞬間は意識と無意識が全面的に対決する瞬間である
  ④死の瞬間は魂が解放される瞬間となりうる
  ⑤魂の救済としての聖婚
  ⑥死はすなわち悟りではない
  ⑦死は審判の瞬間である
  ⑧自殺と臨死体験
  ⑨無意識は死後の生を信じている
 (3)『チベットの死者の声』を読む
  ①三つの解説のとき
  ②チョエニ・バルドゥ(存在本来の姿の中有)――第三の光明の体験
  ③シパ・バルドゥ(再生へ向かう迷いの状態の中有)――第四の解脱のとき
 (4)死後に意識は存在するか
  ①死にいたる意識のプロセス
  ②肉体の死の苦悩の効果
  ③死後の意識
 (5)最後に――悟りの構造
  ①「無の悟り」と「空の悟り」
  ②個の悟りを超えて

あとがき

内容説明

身体を機械化し、死を真空化する近代医療の彼方にあるものは何か。東洋医学・心理学・哲学の知見を交差させ、自殺の心理と死の瞬間の意識を照射し、死の意味を解読する。

目次

第1章 脳死・臓器移植について
第2章 自殺の心理から死の意味を考える
第3章 死の体験の意味