内容説明
2016年2月20日、著者は取材のため滞在したモスクワで連邦保安局(FSB、ソ連時代のKGBの後継機関)に拉致された。一体なにが起きたのか。スパイをつくるための罠が仕掛けられていたのだ。このFSBの手口を白日のもとに曝す。さらに、KGB出身のプーチンがいかにして国家権力を掌握し、それを維持してきたのか。プーチン政権を背後で支える治安機関と「秘密の富」を隠匿する盟友たちの実態を克明に暴く。本書をとおして、ロシアという国家の現状が赤裸々に解明され、「可死の神」としての主権国家の根本問題が論究される。
目次
第1章 「KGB」による脅し(なにが起きたのか;「KGB」による取り調べ;さらばモスクワ)
第2章 ロシアという国家の現状(なにを取材したのか;ロシア政府の苦境;シリア空爆とロシアの軍事状況;治安維持機関としてのFSB;インターネット規制の強化)
第3章 プーチンの正体(プーチンの仲間たち;ゲンナジ・ティムチェンコ;ローテンベルグ兄弟;ユーリー・コヴァリチューク;ニコライ・シャマロフ;マフィア人脈とアレクサンドル・リトヴィシネンコ殺害;オバマ米大統領の仲間たちと「腐敗」)
第4章 国家というリヴァイアサン(「国家」ってなに;「市場の失敗」と「政府の失敗」;「政府の失敗」の根本問題)
国家の奢りと焦り(人間の統治;「可死の神」としての主権国家)
著者等紹介
塩原俊彦[シオバラトシヒコ]
高知大学大学院准教授。学術博士。元朝日新聞モスクワ特派員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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