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内容説明
紙でできた車等、勝手に東ドイツ国営企業カタログ。
目次
トラバント:共産主義車の代表格
ヴァルトブルク:東ドイツの高級車?
バルカス:パイからスパイまで運ぶ東ドイツのワゴン
スポーツカー・メルクス:マルクス?東のフェラーリ
高級車:これが、ホーネッカーの本音っかぁ?
東独のVIP車:Very Impossible Person
燃ーえーる男の~赤いトラクタぁ~
マルチカー:ディーゼルの働きアリ
バイク:足もとにからみつく、赤い波を蹴って
自転車:I want to ride my bicycle!!〔ほか〕
著者等紹介
伸井太一[ノビイタイチ]
京都府生まれ。北海道大学文学部卒。東京大学大学院修士課程修了。修士(学術)。専門は、ドイツ現代史。2006~2009年までベルリン在住。現在、研究者兼フリーライター(ドイツ文化・歴史、サブカルチャーなど)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
C-biscuit
17
図書館で目につき借りる。シリーズもののようであるが、近くに2巻がなかった。気になってしまう。この本は、旧東ドイツ製の工業品を紹介する本であり、紹介文が異常なまでにダジャレである。ダジャレ…。その中に、旧東ドイツの製品のジョークが紹介されているものもあり、これは、面白かった。内容は表紙にもあるトラバントから家電まで古い製品等が紹介されている。いつの時代を切り取るかであるが、最近までこのような性能のものが生産されていること自体が面白い。日本も田舎に行くと意外と古いものがあったりするが、ドイツはまた特別である。2016/08/14
春ドーナツ
8
書影の車は「トラバントP601(衛星という意味)」(製造1964~90)です。愛称は「トラビ」。ボディはプラスチック。後年物資不足のときには紙も混ぜられたとか。また混合ガソリン車で排気ガスがピンクやら紫やらに染まっていて、運転中はオートバイの改造マフラーみたいな爆音を鳴らしていたそうです。車購入の予約をしてから納車まで平均12年くらい待ったらしい。部屋の本棚にレゴブロックを組み立てたフィアット500が飾ってあるのですが、レゴ社の最大マーケットはドイツということで、ここはひとつ「トラビ」をレゴ化して欲しい。2023/01/04
にしの
5
ニセドイツとは今はなき東ドイツのこと。工業で名を馳せたドイツらしさがありながら、東側諸国ゆえの(西側に暮らす我々にとって)これじゃない感にあふれたカタログを読んでいると、無意味だと後指をさされそうな背徳感が味わえる。当時では絶対にあり得ないような趣味的な取り上げ方だが、それも時の流れか。昨今は80・90年代に流行ったキッチュが、そこを去ったことで今に残された魅力を呼んでいるように、ニセドイツな車や家電、モニュメントの数々にも同じものを感じる。マルクス先生はこんな商品価値をどういう風に考えたのだろうか。2021/10/27
帯長襷
4
いかにも60年代〜70年代のテイストでなぜか懐かしさを感じる写真たち。レトロで可愛い。文章も…レトロで…親父ギャグの連発。このタッチが好きになれるかどうか。私は口説すぎて途中から写真だけ見て過ごしました。ギャグを強調しすぎててちょっと冷める感があって。ニセドイツが西ドイツのシャレとか、気付かないよ…2017/11/22
どぅまち
3
40年ほど続いた幻のドイツを今振り返るのもドイツの今を考えるのには必要なのかもしれない。「ニセ」は決して「偽」ではなく、「似せ」という意味でとらえると、この「ニセドイツ」というタイトルが大きな意味を帯びてくる。ドイツのようでドイツでない東ドイツの文化を概観する、すこしキッチュじみていたり、(無駄に)技術的に突き詰めていたり、それでもやっぱり資金不足にたたられたり、共産主義の理想と限界が垣間見える。2014/12/27