内容説明
全長200mの世界最短バチカン国鉄、飛行時間わずか2分の定期直行便など最極端な路線の謎すら多数解明!なんでこんな街からそんな街に路線が??鉄ちゃん・飛行機マニア・船オタク、そして何よりも世界史ファン全員の要求に世界最強時刻表収集家が応えてみせる。
目次
第1章 欧亜連絡とロシア―旅は極寒の凍土を越えて
第2章 ヨーロッパ―破壊の暗闇から“対立と絆の時代”の夜明けへ
第3章 中近東・アフリカ―民族の闘いに翻弄され続けた現代のキャラバン
第4章 新大陸へ―地球を小さくする者が世界を征する
第5章 太平洋―希望と涙が渡った遙かなる架け橋
第6章 東南アジアとその周辺―植民地からの脱出は勝利なき戦いの幕開けだった
第7章 中国と台湾―流転する四千年の空と大地をゆく
第8章 朝鮮半島―三千里を駆ける鉄馬の誕生と飛翔
第9章 満州の時代―プロパガンダと緊張の狭間に咲いた幻の名優たち
第10章 日本―都市と地方・なつかしき「昨日」
著者等紹介
曽我誉旨生[ソガヨシキ]
1972年大阪府茨木市出身、早稲田大学商学部卒。情報システム関連企業に勤務するかたわら、中学生の頃に始めた「時刻表」類の収集を続けている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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molysk
31
時刻表は、交通機関の発着時間を記載した冊子。言い換えれば、人や物の流れを記した資料ともいえる。過去の世界各国の時刻表であれば、世界史をミクロの視点から眺める手がかりとなる。オリエント急行に代表される帝国主義時代の旅情残る国際列車、第二次世界大戦に向けて高まる緊張の中で途絶していく大洋航路、冷戦下の対立および第三世界の独立で変わりゆく国際関係を反映する航空路線。往時の旅人たちは、何を目的として、どのような思いを抱いて、旅路を急いだのだろうか。本書は、20世紀を通した陸海空の路線の軌跡から、時代を読み解く。2020/03/01
Hiroki Nishizumi
3
いやぁ実にオタク。でも何かしらロマンは感じるな。国際線も直行便より南回りが、飛行機より船航路が、新幹線より夜行急行がトキメクね。2022/12/29
siomin
1
世の中にはなんでこんなものを収集するのかってありますけど、本書の作者は古今東西の時刻表を収集し、そこに載る運航スケジュールからここ百数十年の世界史を分析をしています。 とくに海外への路線は、その時々の国家情勢をはっきり浮かびあがらせるものです。たとえば、1940年頃の神戸-大連間の客船はほぼ毎日運航していますが、それは「満州国」に渡る人が多いということと、日米関係の悪化で太平洋路線が減便されたためとか。 ほかにも、世界にある珍妙な路線も紹介しています。スコットランドには、たった2分の航空路線があるとか! 2014/10/18
ふら〜
0
時刻表から世界の歴史を紐解いている。生活史ではないけれども、こういう(学校で学ぶ)教科書には載ってこないような資料から当時の世界情勢に思いを馳せるのは面白い。資料の数も豊富。2017/08/31
Tadashi_N
0
近代の政治経済史。厚木から旅客機が出ていた事があったのがショック2012/03/22