内容説明
全国五十余りの戦後開拓跡地を訪ね歩き、現実のひずみに絶え生きた農民たちの足跡をみる。近代化と平行するかたちで明治から昭和後期までつづいた開拓行政をまとめた1冊。
目次
序章 開拓とは
第1章 明治期の開拓
第2章 大正期の開拓
第3章 昭和期の開拓(戦前・戦時)
第4章 戦後開拓(その一)
第5章 戦後開拓(その二)
第6章 戦後開拓の光と影
著者等紹介
野添憲治[ノゾエケンジ]
1935年秋田県藤琴村(現・藤里町)に生まれる。新制中学を卒業後、山林や土木の出稼ぎを7年、国有林の作業員を8年の後、能代市に転住。大館職業訓練所(自動車整備科)を修了後、木材業界紙記者、秋田放送ラジオキャスター、秋田経済法科大学講師(非常勤)などを経て、著述活動に入る。『塩っぱい河をわたる』(福音館書店)で第42回産経児童出版文化賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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さんつきくん
4
熊谷達也さんのエッセイ集「勘違いのサル」に本書のことが触れられていたので、読んでみた次第である。開拓。明治、大正、昭和とでそれぞれ違う。明治維新で失業した士族らが失業者向けに与えられた北海道の土地を耕したのが明治。昭和になり戦争へ。満州や樺太へ渡る人々。戦争が終わり、命からがら引き上げてきた人々が居場所を得る人のために政府が与えたのは、ヒト一人やった通れるような道の先にある山奥の僻地。0からの開拓に励むが中途半端な行政指導に翻弄され、人々は苦悩する。失敗した前後開拓が大半だったが、成功した事例も。それは2018/05/03