内容説明
著者たちは、どんな種類、どんな程度の障害をもっていても、学齢にある児童・生徒は、学区校に就学する権利をもつ、ということを出発点にしています。しかし、日本の文部省・教育委員会は、基本的には障害児=分離主義の制度と政策に固執している関係上、右の権利は、これと真っ向から対立して、運動としてたたかいとられなければならなかったのです。そうした経験のなかで、いまの学校や教師の一部が、障害をもつ子どもをどんなふうに見ているか、親と教師が協力すれば、現行制度を前提としても、どんな成果があげられうるか、などなど、つぶさに体験してきました。本書は、そうした運動の経験・教育実践・子どもや親の学校とのかかわりのなかから、どんな問題が明らかになり、どんな成果が蓄積されてきたかを、さまざまな視角からレポートしていただいたもの、教師や親の討論で明確化されたところなどを、問題別に整理して収録し、これらの問題を考えるうえでのマニュアルになっています。
目次
第1部 学習についての考え方を変えよう(見よう見まねで学ぶ;学習にもいろいろある;授業を楽しむ小さな探偵たち ほか)
第2部 集団のなかの子ども子どもにとっての集団(一年生 この笑顔が見たかった―翔子の一学期;一年生 普通学級でこそ育ち合う;二年生 自分の思いをことばにできる子に ほか)
第3部 学区校就学の進め方(学区校に就学するまで―親の疑問に答える;就学運動をどう進めたか―茨城県茎崎町での運動経験の検証)