感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
印度 洋一郎
2
日本人研究者による、ワルシャワ蜂起の概観についての解説としては嚆矢となった本(らしい)。前半は、連合国におけるポーランドを代表する亡命政府が、ソ連、イギリス、アメリカ等の思惑に翻弄され、半ば絶望的に蜂起へと追いつめられていく過程について。後半は、執筆当時まだ存命だった蜂起参加者からの聞き取りに基づく証言。亡命政府系レジスタンスの国内軍の兵士として戦った少年や若い女性、国内軍とは政治的に対立しながらも蜂起では共に戦った共産党系の人民軍の兵士達など諸相がある。一章を割かれた日本とポーランドとの関係も珍しい。2024/03/13