目次
戦後演劇の歴史と現在―序章
新劇の一九四〇年代
潰滅する自立演劇
「安定」と混迷のなかで
六〇年代演劇の萌芽
テント・小劇場演劇の開花、昂揚
成熟と喪失、そして―次は何か
二〇世紀末の日本現代演劇―二〇年後の視野から
著者等紹介
菅孝行[カンタカユキ]
評論家。1936年東京生まれ。1962年東京大学文学部卒。同年、東映に入社、助監督として勤務。1967年退社、以後フリー
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感想・レビュー
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mstr_kk
6
新劇が敗戦を劇意識において受け止めることができなかったため、演劇のパラダイムの本質的な変容は、高度経済成長期を待たなければならなかったが、そこで成立したアングラ・小劇場も、やがて自身の限界に突き当たり、現代演劇は制度化した。その過程を詳しいデータと深い洞察によって分厚く記述したのがこの書物であり、僕の知る中ではダントツの内容です。説得力の強さという点で、他の類書を寄せつけない完成度の高さだと思います。菅さんに感化されすぎるのが逆に恐ろしくなるほどです。日本の現代演劇史の資料としては必読です。2014/12/26
mstr_kk
4
3年ぶりの再読です。今回は、戦後の新劇と社会主義リアリズムとの関係(ズレ)を確かめたいと思って読みました。その目的はイマイチ達せられなかったこともあり、ほかの論者による戦後新劇史も読みたいなと思いました。2018/01/02