内容説明
陰陽道の日本的特質とはなにか?その成立・展開期である平安時代を中心に、仏教・神祇信仰と並ぶ宗教としての陰陽道のあり方、陰陽師たちの天文観測技術や呪術・祭祀など活動の実態とその浸透、彼らの信仰などをさまざまな角度から明らかにする。また、中国から伝来し陰陽道の背景となった諸典籍、その展開のなかで陰陽師たちが著し伝えた主な関連史料を、解説を付しながら幅広く紹介。陰陽師が残した日記である『承久三年具注暦』の翻刻を収める。
目次
陰陽道の特質と関係典籍
第1部 陰陽道の成立とその展開(陰陽道の成立と儒教的理念の衰退;陰陽道の宗教的特質;陰陽道信仰の諸相―中世初期の貴族官人・都市民・陰陽師;密教修法と陰陽道;院政期の大将軍信仰と大将軍堂)
第2部 安倍晴明と天文家安倍氏(安倍晴明の邸宅とその伝領;安倍晴明の「土御門の家」と晴明伝承;天文道と天文家安倍氏)
第3部 陰陽道と文献史料(陰陽道関連史料の伝存状況;『承久三年具注暦』の考察;『大唐陰陽書』の考察―日本の伝本を中心として;宣明暦について―『高麗史』暦志と日本の伝本)
付論 平安時代初期の政治課題と漢籍―三伝・三史・『劉子』の利用
著者等紹介
山下克明[ヤマシタカツアキ]
1952年、千葉県船橋市に生まれる。青山学院大学文学部史学科卒、同大学院文学研究科博士課程単位取得退学。博士(歴史学、青山学院大学)。現在、大東文化大学東洋研究所兼任研究員、公益財団法人無窮会東洋文化研究所特別研究員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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