内容説明
本書は、筆者がこれまで執筆した論文のうち、特に中世日本の政治と文化に係わる十五本を選び、三つの章に編成したものである。
目次
第1章 政治と支配(大塔宮護良親王令旨について;令旨の書き止め文言―征西将軍宮懐良親王と大塔宮護良親王;邦省親王の悲劇―もう一つの大覚寺統分枝 ほか)
第2章 政治と宗教(三宝院賢俊について;日記に引用された文書とその性格―『満済准后日記』を素材として;五壇法の史的研究 ほか)
第3章 政治と文芸(朝廷と幕府―鎌倉時代の朝幕関係と『増鏡』;後醍醐天皇―その怨霊と鎮魂、文学への影響;『太平記』と足利政権―足利直義の係わりを中心に ほか)
著者等紹介
森茂暁[モリシゲアキ]
1949年(昭和24)長崎県生まれ。72年九州大学文学部国史学科卒業。75年同大学院文学研究科博士課程中途退学。九州大学文学部助手、京都産業大学教養部助教授、山口大学教養部教授・同人文学部教授を経て、97年より福岡大学人文学部教授。文学博士(昭和60年・九州大学)。専攻は日本中世史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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akuragitatata
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五壇法についてのろんぶんに教えられることが多かったが、文書論からみる『太平記』という視点は考えたことがなかったのでなるほどと思った。国文学者はわりとすぐに原態からの改変・変容みたいにすぐ言ってしまいがちだけれど、具体的な資料の追加で変化があるのは当然なので、引用文書の性質を分析するのは近現代まで当然の態度だろう。南北朝時代はあまり明るくないのだけれど、文書はそこそこあることを知って大変励まされた気持ち。各論の付記も最新の成果を反映しているのは、当然だけどすごい。2017/07/22
陽香
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思文閣、061030