内容説明
現代美術の著しい特性として、即物的傾向をあげることができる。抽象美術はシュジェ意識の否定という形で、シュルレアリスム美術は日常的意識を否定することによって、共にオブジェへの傾きを示す。作品がオブジェとして即自的に完結することと、普遍的な人間性のシンボルとして対自的になること、この総合を求めて現代美術家は茨の道を歩む。
目次
1 現代絵画の変貌(二〇世紀絵画の出発;二つの大戦の間で ほか)
2 モダン・アートへの招待(モダン・アートへの道;エコール・ドゥ・パリ ほか)
3 現代絵画の解剖(視覚;フォルム ほか)
4 ミロ、カンディンスキー、デュビュッフェ(ジョアン・ミロ;ワシリー・カンディンスキー ほか)
5 近現代美術展覧会(ヨーロッパ、アメリカ、アジア美術展―展覧会解説;欧米美術展―作品解説)
著者等紹介
木村重信[キムラシゲノブ]
1925年京都府城陽市生まれ。1949年京都大学文学部哲学科卒業。1953年京都市立美術大学講師、1958年同大学助教授、1969年京都市立芸術大学美術学部教授を経て1974年大阪大学文学部教授。1989年大阪大学定年退職後、大阪府顧問、1992年国立国際美術館館長、この間、1956~7年にソルボンヌ大学民族学研究所に留学したほか、世界全域で多くのフィールドワークをおこなう。毎日出版文化賞(1966年「カラハリ砂漠」)大阪文化賞(1991年)勲三等旭日中綬章(1998年)京都市文化功労者(1999年)兵庫県文化賞(2001年)など受賞。現在、兵庫県立美術館館長・大阪大学名誉教授・京都市立芸術大学名誉教授・民族芸術学会会長・文学博士。専攻は民族芸術学・近代美術史
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