木村蒹葭堂―なにわ知の巨人

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木村蒹葭堂―なにわ知の巨人

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  • サイズ A4判/ページ数 220p/高さ 30cm
  • 商品コード 9784784211401
  • NDC分類 289.1
  • Cコード C0092

出版社内容情報


江戸時代後期大坂の趣味人・町人学者として知られる木村蒹葭堂(1736-1802)は幼少から絵画を習い、10歳代で本草学と物産学を学んだ。詩をよくし、煎茶を愛した。その交友は大名から庶民に及び、また膨大なコレクションは当初から全国に知られ、あらゆる学問分野に通じた多芸多才の博識として稀有の存在であった。蒹葭堂の影響はあまりに多方面にわたっているため、その全貌を把握することは困難であったが、当展覧会では、230点におよぶ出品史料により、広大な蒹葭堂ワールドを一望する。全てをカラー図版により紹介。作品解説に加え、近世の知の世界に関する論文・コラムを収録。

2003年2月9日付 朝日新聞 朝刊 書評掲載

内容説明

本図録は大阪歴史博物館において、平成一五年一月一五日(水)から二月二四日(月)までを会期として開催される特別展「没後二〇〇年記念、木村蒹葭堂―なにわ知の巨人」の展覧会図録である。幅広い彼の収集資料や制作・著述作品を通じて、近世大坂の知識人の知的好奇心の広がりや全国の文化人との交流、さらに彼の業績が当時の学問・文化に及ぼした影響について紹介。

目次

図版編(浪華の芦;聞人蒹葭堂;物産家蒹葭堂;蔵書家蒹葭堂;蒹葭堂の晩年と顕彰)
研究・資料編

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

KAZOO

117
この人の名前は昔中村真一郎さんの作品を読んで知っていました。大作でこの人物についてとその周りを取り囲むサロンの様子を書かれていて、ケインズもいたというイギリスのブルームズベリーのグループを思い出していました。これはその回顧展の図録でかなりな文化人であったということがよくわかります。絵も描いたり地図にも興味を示したり、という文化人でこのような人物についての研究がもう少しあってもいいのではないかと思われました。2016/02/20

内島菫

27
大阪で酒造業を営みながら、詩文・文人画・煎茶を嗜み、本草学者・物産家・蔵書家でもあり、ときには出版も行った、知の交流地点的位置にある蒹葭堂の興味の方向性や研究姿勢の一端が伺える。谷文晁の「木村蒹葭堂肖像」に描かれた、口を開けて笑っている應揚な旦那風な面立ちに加え、どこか遠くまで見つめているような目の表情が印象的。蒹葭堂の絵は、最初期の「桃花図」が彼の性質をよく表しているように思う。また、「草木写生巻」から、草花の形象への興味と愛着を感じた。彼が趣味的に作ったという蜜柑酒を飲んでみたくなる。2017/03/12

きいち

26
2003年の大阪の博物館の図録。読友さんのレビューでぜひ見たいと思った本が地元の図書館に入ってるという幸せ。ベストセラーなんていらない、図書館の選書はこうあってほしい。◇木村蒹葭堂は近世大阪の商人にして文化人、日本が生んだ一大ネットワーカー。漢学蘭学本草学に画業に漢詩、好事家学者が引き寄せられた蔵書に博物コレクション、そして蒹葭堂自身の作品が収められる。面白いのは日記やメモ(相当なメモ魔だ)、大雅や売茶翁たち京都の人々、秋成に懐徳堂と大坂の面々、南畝に学者大名に朝鮮使節とその往来。伊能忠敬とのつながりも。2016/02/03

きさらぎ

5
没後200年に開催された回顧展の図録。芥川龍之介が癒されたと評する蒹葭堂の画をカラーで多数観ることが出来て大変満足。是非実物を見たいと思った。その他、自筆の日記、博物学の勉強の記録、僧大典や売茶翁を始め、蒹葭堂が親しく交わった人々の遺物や書簡、詩集、そして本や標本などの収蔵品など、蒹葭堂周辺の「物」の数々はとにかく圧巻というか素直に面白い。大収集家で知られた蒹葭堂は物から触れるのが一番近道なのかもしれない。そんなことを感じさせる一冊だった。2015/12/20

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