出版社内容情報
実証的研究の蓄積が少ない天皇制や大嘗祭、また権門体制論・顕密体制論によって規制されがちな中世神祇史について、実態面の研究を積み重ね、さらに中世日本紀や神道書の考証も重ね合わせることにより、王権と宗教に関する新たな見取り図を描き出すことを目指した意欲的な論集。国際日本文化研究センターにおいて各分野の研究者によって行われた共同研究の成果。
第1部 古代王権と神祇
古代神祇祭祀と杵築大社・宇佐八幡(岡田 莊司)
北欧神話のフレイと日本神話の大国主両神との一比較(エミリア・ガデレワ)
神寺行幸と天皇の儀礼空間(嵯峨井 建)
第2部 怪異と卜占
六壬式占と軒廊御卜(西岡 芳文)
中世王権と鳴動(西山 克)
神判と王権-王位の継承と神籤-(今谷 明)
第3部 神道説の諸様相
『渓嵐拾葉集』における王権と神祇-神璽の箱をめぐる一説話から-(田中 貴子)
伊勢に参る聖と王-『東大寺衆徒参詣伊勢大神宮記』をめぐりて-(阿部 泰郎)
中世密教における神道相承について-特に麗気灌頂相承血脈をめぐって-(伊藤 聡)
合身する人丸-和歌秘説と王権-(大谷 節子)
第4部 神道と天皇観
中世神道の天皇観(高橋美由紀)
神国論形成に関する一考察(白山芳太郎)
「食国」の思想-天皇の祭祀と「公民(オオミタカラ)統合」-(中村 生雄)
目次
第1部 古代王権と神祇(古代神祇祭祀と杵築大社・宇佐八幡;北欧神話のフレイと日本神話の大国主両神の一比較 ほか)
第2部 怪異と卜占(六壬式占と軒廊御卜;中世王権と鳴動 ほか)
第3部 神道説の諸様相(『渓嵐拾葉集』における王権と神祇―神璽の箱をめぐる一説話から;伊勢に参る聖と王―『東大寺衆徒参詣伊勢大神宮記』をめぐりて ほか)
第4部 神道と天皇観(中世神道の天皇観;神国論形成に関する一考察 ほか)
著者等紹介
今谷明[イマタニアキラ]
1942年生。京都大学大学院文学研究科博士課程退学(国史学)。文学博士。横浜市立大学国際文化学部教授
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