出版社内容情報
※佐久間象山は、西洋の科学技術導入による国力増強を主張し幕末の諸藩に大きな影響をおよぼした人物として知られているが、実際に象山が行ったさまざまな科学的な試みについてはこれまであまり重要視されず、科学者としての象山像については未解明の部分が多かった
※象山は本当に科学技術に関わる知識を有していたのか、またその「知識」を活用した「実践」はうまく
いったのであろうか─── といった象山の「知識」と「実践」をめぐる問題について具体的に分析し、
幕末における科学技術の受容と水準を解明する
※象山や松代藩が購入した膨大な蘭書を博捜し、象山が「蘭書では、ないしは西洋ではこのように言われている」と語る内容について、本当に蘭書の中に記載があるのかどうか、あるとすればその該当記述はどの部分か、丹念な検証と器機類の実験によって明かす
目次
第1章 軍備の充実における科学技術の利用(大砲の運用と鋳造;ベウセルの砲術書が与えた影響)
第2章 殖産開発における科学技術の利用(ガラス作り;カステレインの化学書と殖産開発)
第3章 蟄居中における科学技術との関わり(入手を希望した蘭書;ソンメルの窮理書;電気治療機の製作)
著者等紹介
東徹[アズマトオル]
1953年兵庫県生まれ。大阪大学工学部卒業。大阪府立大学大学院人間文化学研究科博士課程単位取得退学。博士(学術)。大阪府教育センター主任研究員
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