出版社内容情報
内容紹介
70年代以降、自由都市論から封建的都市論への転換にみられた新しい研究動向を受けて、陸路水路の要衝大山崎を分析し、国家権力と密接な関係をもつ商業的共同体という観点から論じた大山崎研究をはじめ、古代からの港湾都市である堺都市論、自治都市としての成立過程と内部構造について公界と会合に着目し着目し新たな都市像を示した大湊研究、さらに戦後の中世史を代表する都市論への見解をあきらかにした論考を収め、都市共同体の全体構造や多様な都市住民の実態に迫る。
『史学雑誌』110-11に紹介文掲載
内容説明
本書は、戦後の中世史研究において、最初はその重要性が認識されず、ようやく1970年代から研究が盛んになりはじめた日本の都市史研究のなかで、特に都市共同体についての実態と内部構造についての解明を、研究課題としたものである。
目次
第1部 惣町と会合の発達(地主神の祭礼と大山崎惣町共同体;中世都市共同体の構造的特質―中世都市大山崎を中心に;戦国都市堺の形成と自治;大湊会合の発達―宇治・山田・高向・河崎との関係を中心に;会合年寄文書から見た都市行政―伊勢大湊太田家古文書についての一考察;戦国期における伊勢御師の活動―橋村氏を中心に)
第2部 都市論と長者論をめぐって(豊田武の都市論・会合衆論について;安良城盛昭の奴隷制社会論について;水走氏再論―畿内型武士団の特質と構造;戸田芳実の都市論・交通論について)
著者等紹介
小西瑞恵[コニシミズエ]
1942年生まれ。京都大学文学部卒業。博士(文学)。昭和薬科大学薬学部一般教育助手・講師の後、1973~76年大阪府三島郡島本町町史編纂室嘱託、1980年大阪樟蔭女子大学学芸学部一般教育専任講師、1983年同助教授、1995年同教授、現在に至る。主要著書に、『島本町史』(史料篇)『門真市史』(第2巻)『小野市史』(第1巻・第4巻)(いずれも共著)などがある
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