内容説明
俳句から詩へ、詩から風狂の世界へ―鮮やかな幻視を緊密な言語で定着化した初期から、作品と批評が一体となるまでの自在な読解の高峰を極めた後期まで、激動の時代にきびしい美を点じ、現実から些かも退くことなく詩の在り処を求めつづけた妥協なき生涯、その比類なき全軌跡。
目次
詩集(『六月のみどりの夜は』定本;『蘭』;『秋の島についてのノオト』 ほか)
句集(『裏山』;『昨』;『花筧』 ほか)
評論(現代詩の展開;「澱河歌」の周辺;風狂始末)
著者等紹介
安東次男[アンドウツギオ]
1919年7月7日、岡山県苫田郡東苫田村大字沼(現在、津山市沼)に生まれた。1937年、第三高等学校文科丙類(フランス語)に入学。1942年、東京大学経済学部経済学科を卒業。1946年、沢木欣一、原子公平、金子兜太らと句誌「風」を創刊。1959年、國學院大学でフランス語講師をつとめる。1962年、評論集『澱河歌の周辺』(未来社、第十四回読売文学賞受賞)。この年5月から、翌63年2月まで平凡社世界大百科編輯部に嘱託として勤務。1966年、この年より1982年まで東京外国語大学教授(文学・比較文学)。1977年、『安東次男著作集』第一巻「全詩集」をもって完結。同著作集により第十四回藤村記念歴程賞受賞。1990年、評論集『風狂余韻』(筑摩書房、第四十一回芸術選奨文部大臣賞受賞)。1996年、十九歳から七十六歳までの句、三〇四句を収めた句集『流』(ふらんす堂、第十二回詩歌文学館賞受賞)を刊行。2002年4月9日午前二時二十五分、呼吸不全のため死去。享年八十二歳(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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