食うものは食われる夜 (新装)

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ B6判/ページ数 107p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784783721420
  • NDC分類 911.56
  • Cコード C0092

内容説明

多彩な言葉の心拍をもとに、刻一刻と生成を重ねる生き物たちの、秘められた繋がりを描き出す。第56回芸術選奨文部科学大臣新人賞、受賞。

目次

モンゴロイドだよ
鹿の女
蛤ロボット
この蟹や
食うものは食われる夜
東風吹かば
まばらな林
ほらあな
シベリアルート
毛皮〔ほか〕

著者等紹介

蜂飼耳[ハチカイミミ]
1974年神奈川県生まれ。詩集『いまにもうるおっていく陣地』(紫陽社・1999)第五回中原中也賞受賞。詩集『食うものは食われる夜』(思潮社・2005)第五十六回芸術選奨文部科学大臣新人賞(文学部門)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

青蓮

91
絵本「うきわねこ」で知った蜂飼耳さんの詩集。ずっと読んでみたかったので、今回手に入って良かったです(今は絶版のようです)。私には難解でしたが、見たことがないような、新しい世界へ連れて行ってくれました。言葉のリズムも独特で、不思議な味わいがあります。読めば読むほど、新たな発見がありそう。また時間を於いて読んでみたい詩集です。2017/01/08

市太郎

47
再読。読みたくなる。何故か・・・時々。言葉が脳内をめぐりめぐってリズムに合わせて踊っている。薄汚ねぇ貪るという言葉のうしろに影のように寄り添う死。癖になってしまう人は癖になるのだろうな。たぶん、これからも、時々読み返す。その度に掻き回されるのだ。この詩に。この言葉に。2014/02/11

市太郎

44
詩集。著者は変わった名前だがそのまま「はちかいみみ」と読み、女性詩人であるらしい。(知りませんでした)食物連鎖をイメージするこの世界は「モンゴロイドだよ」の肉をむさぼり食う女の詩からはじまる。狐、カマキリ、ででむし、海胆、蟹、といった食われるものと食うもの、食われるものは食うものでもある。その声。ひっそりと闇に向かう神話的な世界の言葉の奔流。わかりやすい言葉だけが胸に響くのではない。静かに融合し合う言葉が本当に心に響くのだ。共感でなく共鳴すること。それを教わった気がした。「ほらあな」という詩が気に入った。2013/12/05

メタボン

27
☆☆☆★ 再読。出会った頃のみずみずしさはない。その感覚はむしろ自分の老いが為せる技であり、詩のせいではない、詩集のせいではない。むしろこの毒々しい赤色の詩集本体は手元から離し、言葉本来の次元へ浸ろう。やはり蜂飼耳はエッセイが素晴らしい。そこに研ぎ澄まされた言語感覚と詩人の鋭い視線がある。2022/02/12

なる

18
言葉を言葉として表面上で受け取ろうとすると、理解する前に途端にこぼれ落ちてしまう。難解だとして受け付けられなくなるかもしれない。リズム的に配置された言葉は優しく読み取るための一助となり得るだろうか。個人的にはいくつかの詩、特に後半では肉惑的な匂いさえ漂ってくる。『モンゴロイドだよ』『シベリアルート』『オセアニアルート』このあたりはまさに「食うものは食われる」という表題を表わしているのかな。一番のお気に入りは『隔世遺伝』。だめだ、老人を題材にする作品は泣けてきてしまうな。2020/06/14

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/533469
  • ご注意事項