ささ笛ひとつ

ささ笛ひとつ

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  • サイズ A5判/ページ数 96p/高さ 22cm
  • 商品コード 9784783719403
  • NDC分類 911.56
  • Cコード C0092

内容説明

わたしは父と手をつなぎ/うたいながら帰ります/夕ぐれるこの町を。さり気なくおかれたこの3行を、典型的な幼児体験のスケッチだといったんは読み過ごした読者も、つづく「とおいとおい過去のこと/朝鮮半島の雀のお宿」という2行にきて、はじめてこの詩が内包する切実なモチーフに気づくに違いない。「あれから五十余年を生きました」と詩人はいう。刑事に連れ出される父、若くして病死した母、自刃した弟。日本と朝鮮の板挟みに苦しんできた「殖民二世」のひたむきな生き方が、高度な詩的表現となって結実する。

目次

あさぼらけ
よるってなあに?
峠道

千年の草っ原

あさの十時
午後のシンフォニー

母国さがし〔ほか〕