内容説明
わたしは自分の性器のなぜ濡れるかを知らない、と著者は詩集の第1行目を書きはじめる。性器からはじまって、乳房、眼、唇、指、脚、尻、そして陰毛を描きながら、官能が見事に官能を超える。稲葉真弓の作家の知性と詩人の感性が、女性の身体性の奥に潜む蠢きを大胆に剔抉する。
目次
だれもいないのに鳴っている
野原でわたしは幸福だった
わたしも丘を持っている
そっと階段をおりてみた
目の歳月
青い川を探しに行く
だれにもあげない
ゆるやかにはさんでみた
蜜の上で眠っていた
涼しい場所が欲しかった〔ほか〕
著者等紹介
稲葉真弓[イナバマユミ]
1950年愛知県生まれ。小説『エンドレス・ワルツ』(女流文学賞)『声の娼婦』(平林たい子賞)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。