内容説明
生得の言語、生理の築いた家族から脱皮して噴出した、伊藤比呂美の待ちに待った新詩集。伊藤比呂美のかたる天衣無縫な「語り物」と、跳梁する別の「ニホン語」の面白さ。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
凛
13
少し前、白熱電球が切れて点かなくなった。取り外して振ってみると、欠落したフィラメントが聴いたことのない美しい音色で鳴る。しゃりしゃり。きらきら。ちりちり?硝子の中で飛び跳ねるフィラメントは見えず、奏でられる音は名状しがたいけど、何故だか心惹きつけられる。彼女の詩は、心の奥底をあのフィラメントの様に震わせてくる。何故だか心惹きつけられる。本作は初期作品と比較して客体寄りであるので、読みやすかったと共に物足りない気も。滅ぼしておめでとうございますを、ハッピーデストロイイングと仮訳していて雰囲気出てなくて笑った2014/02/05