精神と自然―生きた世界の認識論 (改訂版 普及版)

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  • サイズ B6判/ページ数 325p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784783511953
  • NDC分類 115
  • Cコード C1010

内容説明

ニューギニアの部落からサイバネティクスまで、また精神分裂の世界から生物の進化までを今世紀の知の辺境を跋渉した巨人が、深い言葉で綴る。“生きた世界の認識論”。

目次

1 イントロダクション
2 誰もが学校で習うこと
3 重なりとしての世界
4 精神過程を見分ける基準
5 重なりとしての関係
6 大いなる確率的過程
7 分類から過程へ
8 それで?
付記 時の関節が外れている

著者等紹介

佐藤良明[サトウヨシアキ]
1950年生まれ。東京大学教授、専攻はアメリカ文化論(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

しゅん

17
常に流動する世界を、固定した知の体系として捉えるのではなく、自らも流動しながら理解すること。この本は何度も読み返しながら、知識をドライブさせることで大きな価値を持ってくるだろう。たとえば、重なりを見ることで世界を把握するという話は一般論にも敷延できるし、高度な社会設計や抽象的な哲学把握にも利用できる。一読しただけでどこまで理解できたか心許ないが、生物学・物理学・精神医学・文学などのあらゆる知見を動員して精神を研究する方法の原理を問う姿勢には感銘を受ける。本を読む意味がわからなくなったらこれを読もう。2019/03/09

デビっちん

12
認識論とは、生成に関わるすべての個個の科学を組み合わせることから新たに生じる理解へのボーナスです。種類の異なる情報を組み合わせることで、部分の総和以上になります。寄せ集めた全体が部分の総和より大きくなるのは、単なるたし算ではなく、かけ算や論理積といった性質をもつからです。また、メタレベルで見る階層が上がっていることも理由です。より大きな結び合わせのパターンにするには?さらに、1つ上の次元から俯瞰して見てみると?2016/06/10

ゲニウスロキ皇子

7
どうしてだろう。偉大な学者は、押し並べて「関係」や「パターン」に対する感受性が常人よりも遥に優れているように感じられる。もちろんベイトソンもその一人で、彼は本書で「関係」や「パターン」を正面から取り扱っている。精神の基盤を物理的実体に持たせずに、部分間の関係や物事のパターンの認識の中に見出している。そのベイトソンの思考は強靭であり、また、しなやかでもある。一読のもとには捉えがたい本であるが、興味のある方には是非目を通して頂きたい。2011/09/18

ULTRA LUCKY SEVEN

6
生態学よりもまだ易しいけれど、かなり難解。父と娘の対話部分だけで一冊書いて欲しかった。実は論文よりも対話の部分が重要で父が正しいわけでなく、娘の感覚や直感が絶対でもなく、実は読者の受ける影響にしか真実はない、というのがベイトソンのコミュニケーションであり、知覚変容なのだと思います。2012/04/11

hutosi

5
これは安心する。きちんとこの段階のことを明文化できる人がいたこと、段階段階の事をきちんと見ていた人がいること。それはとてもとても安心する事だと思いました。この本によっていろんな物事の見方が変わりました。例えばある言い争いの水掛け論はこの本を読むことでロジカルタイプが違うんだと冷静になれる。設計が間違っていなくても時間という概念を考慮しなければ循環性が保たれないなど何かを解決する手がかりになる認識の仕方を示唆してくれるので自分の中に何かが積もった気がしました。ただ取っ付きにくくて難解だなとも感じる不思議な本2013/05/19

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