内容説明
20世紀哲学の傑作、ハイデガーの『存在と時間』の画期的解釈書。人工知能批判やフーコー研究で知られるヒューバート・ドレイファスが、伝統的哲学を解体して哲学的思考地図を描き直す、ハイデガーの革新的な思想を、専門家以外にも十分理解できるように明快かつ詳細に解説。
目次
なぜ『存在と時間』を研究するのか
『存在と時間』の序論(内容的部分;方法論的部分)
世界内存在についての予備的スケッチ
道具的存在性と事物的存在性
世界性
現代版デカルト主義に対するハイデガーの批判
空間性と空間
日常的現存在は「誰」か
内存在の三重の構造
情状性
了解
語りと意味
頽落
気遣いという構造
日常性の解釈学の哲学的意味
著者等紹介
轟孝夫[トドロキタカオ]
1993年東京大学教養学部教養学科卒業。’99年東京大学大学院人文社会系研究科博士課程単位取得退学。現在、埼玉大学非常勤講師
榊原哲也[サカキバラテツヤ]
1983年東京大学文学部哲学科卒業。’88年東京大学大学院人文科学研究科博士課程退学。現在、立命館大学文学部助教授
森一郎[モリイチロウ]
1986年東京大学文学部哲学科卒業。’90年東京大学大学院人文科学研究科博士課程中途退学。現在、東京女子大学文理学部助教授
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感想・レビュー
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Gokkey
8
ドレイファスのハイデガーの読みはどうもオーソドックスなものではないようだ。さらに本書は存在と時間の第一部のみで死や時間といったテーマについては殆ど何も語られていない。ドレイファス自身がハイデガーから人工知能に対する哲学的考察を深めた事からも察せられるが、本書は存在と時間の「存在」についてのみ焦点が当てられる。もっと言えばドレイファスはハイデガーを通して実存論的な「人間」理解を深めたともいえる。それは世界内存在という文脈の中での在り方であって、行動のカタチだけ模倣するAIとは全く意味合いが異なるということ。2020/04/23
ミツキ
0
やっと読み通せたが読み込めてはいない。末尾にある、門脇氏によるドレイファスについての解説を先に読んでおけばよかったと読後に思う。キルケゴールとの関連から読解した付録も読みたいが、翻訳されていないのが残念。2014/12/26
しょうへい
0
すごく参考になった。2023/02/11