内容説明
日々の営みの中で、私たちはつねに人と何かを伝え合っています。音声や身体など何らかの手がかりを用いて、心理的なメッセージを伝え合うこうした「対人コミュニケーション」について、本書では、その機能や具体的な伝達の様子を詳しく解説します。言葉、視線、しぐさ、顔の表情など、多彩な手段を通してメッセージの受発信は行われています。こうしたメッセージの「記号化」や「解読」のしくみはどうなっているのでしょうか。また、真意を隠した欺瞞的コミュニケーションに関する研究を中心に、コミュニケーション能力の高低とは何なのか、メッセージに対する感受性の性差、個人差などの問題についても考えます。また、私たちが誰かと親しくなるときには、いったい何が起こっているのでしょうか。出会いから別れまで、人と人とが親しくなる過程をコミュニケーション行動から探ります。
目次
1 伝え合いと関係―他人いてこそ、伝え合い
2 コミュニケーションのチャネル―さまざまな手がかりを使う…見つめ、近づき、話す
3 コミュニケーションのメディア
4 コミュニケーションの中心「顔」
5 記号化と解読
6 シンクロするコミュニケーション―関係のコミュニケーション
7 親しみのコミュニケーション―発展し、結合へ
8 円滑な関係を築く―スキルとコミュニケーション
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
yurari
3
/男性囚人の中で攻撃性の強い者は、そうでない者に比べてパーソナルスペースの大きさが3.8倍→暴力的な人は弱い人間を空間によって補おうとしている/話し手は相槌、うなずきを行う聞き手を好意的に評定するが、聞き手も(実験者に指示された相槌、うなずきにも関わらず)話し手を好意的に評定した/2023/01/09
Ayano
0
退職された方にいただいた本。研究の紹介もあり、専門用語も多く出てきて難しい部分もあったけれど、平易な言葉での言い換えや身近な話題に置き換えて記されていた。心理学の中でも、人間関係だけじゃなくて普段の生活に密着している「社会心理学」には今後も関心を持って学んでいきたい。2024/02/20
心理学部2年
0
図書館にない2022/05/28