出版社内容情報
多田将[タダショウ]
著・文・その他
内容説明
宇宙はどのように誕生し、今の姿になったのか?140億年後を生きる人類は、加速器という装置を作り出し、宇宙が生まれた瞬間―100兆分の1秒後にまで迫っている。なぜそんなことができるのか、人気素粒子物理学者がその仕組みをわかりやすく解説。ラーメンをフーフーする理由とは?人類はマカダミアナッツチョコのナッツだけを食べることができない?スキーに行った修学旅行生は夜、何をしているのか?―宇宙誕生の謎を巧みな比喩と共に描きだす。
目次
第1章 宇宙のなかの光と温度(素粒子ニュートリノを300km飛ばす実験;人間よりも大きなもの;人間よりも小さなもの ほか)
第2章 宇宙のはじまり(過去を見るとは、物質の高温の状態を見ること;宇宙の過去を再現できる装置;ゼットンの炎より熱いLHC ほか)
第3章 宇宙と物質のQ&A(もし物理学のすべての謎が解明されたら、どうなると思いますか?物理学はどうなるのですか?;宇宙人はいると思いますか?;宇宙人は地球の存在に気づいていないのですか? ほか)
著者等紹介
多田将[タダショウ]
1970年大阪府生まれ。京都大学理学研究科博士課程修了。京都大学化学研究所非常勤講師を経て、現在、高エネルギー加速器研究機構・素粒子原子核研究所、准教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
徒花
382
西麻布で行われた講演をベースに、全編話し言葉で書かれているためもあってか、かなりわかりやすい。宇宙の話を理解するためには素粒子の話を理解しなければならないので、宇宙と素粒子の話が交互に出てくる。LHCでなにをやっているのか、とか、小林・益川理論で有名になった「対称性の破れ」のこととか、いろいろ理解できて楽しかった。2016/08/07
nbhd
14
この本を読んで、初めて知ったことを並べてみよう。①宇宙の初期に物質がどういう状態だったかを知りたければ、それと同じくらいの温度で温めてあげればいい。②質量とは何か?答えは「動きにくさ」。③陽子や中性子はマカダミアンナッツに似ている。④物理学では、空間や時間の最小単位が存在している。空間の最小単位は10のマイナス35乗(プランク長)、時間の最小単位は10のマイナス44乗(プランク時間)。⑤宇宙の始まりに「その前はない」。だから人類は、アキレスの亀のように、宇宙の始まりに少しずつ近づくことしかできない。2021/06/16
佐藤一臣
13
超絶わかりやすいと思ったが、それは難しい量子物理学の本を他で読んでいて前知識があったからかも。それを差し引いても、最もわかりやすい量子論を使った宇宙の歴史解説書だろう。他にも量子論の構造解説があり、なぜ物がつかめるのか?温度とは?質量とは?エアコンの原理、対称性の破れ、潮汐力など、勉強になった。宇宙の始まりを現在から遡る形で説明してくれるので、全体の流れがわかるからいい。2019/05/23
しゅわっち
10
好きな著者なのですが、ちょっと内容が薄く感じました。残念。2020/06/02
mayu
10
講義を書き起こしたものなので分かりやすい。情報として新しいものがあるわけではないけれど、難解な部分を超身近なものに例えているので理解が早い。微妙に下手なタッチの絵は本人が描いているのか?いやもう、天才だと思う、この方。ヘンなカッコに惑わされてはいかんな。2015/12/27