出版社内容情報
坂爪真吾[サカツメシンゴ]
著・文・その他
内容説明
障害のある人たちは、どのように自分や他人の性と向き合っているのだろうか。それらの喜びや悩みは、障害の無い人たちと同じものなのか、それとも違うものなのか。一般社団法人ホワイトハンズを立ち上げ、障害者の性の支援に長年携わってきた著者が、「純粋な天使」や「かわいそうな性的弱者」という画一的なイメージを取り払った上で、障害者の性の現状を8つのエピソードから解説。そこから、障害にかかわらず自尊心の基盤であり社会参加の原動力でもある、人間にとっての本来の性のあり方が浮かび上がってくる。
目次
1 射精介助の現場から
2 メディアと障がい者の性
3 障がい者の結婚推進事業「ぶ~け」の挑戦
4 きょうだい・子どもの立場から見る障がい者の性
5 障がい児の性教育
6 性犯罪の被害者と加害者
7 障がいとLGBT(ダブルマイノリティ)
8 性産業で働く女性障がい者
エピローグ 生と性のバリアフリーを目指して
著者等紹介
坂爪真吾[サカツメシンゴ]
1981年新潟市生まれ。一般社団法人ホワイトハンズ代表理事。東京大学文学部卒。重度身体障害者に対する射精介助サービス、風俗産業の社会化を目指す「セックスワーク・サミット」の開催など、社会的な切り口で、現代の性問題の解決に取り組んでいる。2014年社会貢献者表彰、2015年新潟人間力大賞グランプリ受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ミカママ
432
著者さんに対しては、「隙間ビジネスで成功を収めた頭の良い人」という印象しかなかった。日本に6パーセントいるという障害者(内容やレベルは多岐に渡る)さんたちと直に関わって、リアルな声やニーズ、問題を舞台表に出してきたこの作品。健常者にある悩みはすべて彼らにも存在する。そんなあたりまえのことがストンと腑に落ちる。ただの要領のいい人ではなく、きちんと考え真摯に向き合っている姿に感銘を受けた。良書。2020/03/26
吟遊
15
良書!「障害者の性」をタブー視したり、見てみぬふりをしたりするのではなく、ひとつひとつ具体的なケースごとに応対を積み重ねるしかない、と。具体的なエピソードや、大きな事例、LGBTや性犯罪にも触れるなど多角的な点、などがよい。2018/03/17
kotte
14
ホワイトハンズ代表の坂爪さんが書かれた本です。健常者には想像できない世界を知ることができ、坂爪さんの障害のある人に対する『意思決定支援」の考え方がとても勉強になります。「リスクを取る権利を含めて、本人の意思を尊重」することを模索していかなければいけませんが、そのリスクが本人に明らかに害悪をもたらすならどうするべきなのか。答えは出ませんが、考えさせられます。2017/03/23
ステビア
9
性のノーマリゼーションも必要だという主張。その通りだと思う。2017/03/08
とくま
5
○「問題を『自分事』として考えることまではできなくても、『社会事』=社会の問題として考えることは、できるのではないか。」2018/06/11