音楽の在りて

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  • サイズ B6判/ページ数 350p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784781605999
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報



萩尾望都[ハギオモト]
著・文・その他

内容説明

著者が二〇代のときに執筆、『奇想天外』に掲載されるや否や話題を呼んだSF小説を待望の書籍化。人生賛歌ともいえる表題作に、豊かなる想像力に満ちあふれた傑作「ヘルマロッド殺し」。そして、作者にとって永遠のテーマである「神への挑戦」と「自我の芽生え」を描いた中編「美しの神の伝え」など、その後の名作マンガとも呼応する一二編を収録した、萩尾望都の原点的作品集。

著者等紹介

萩尾望都[ハギオモト]
1949年、福岡県生まれ。マンガ家。72年より「別冊少女コミック」で連載を始めた『ポーの一族』が人気に。同時期の『トーマの心臓』ともども代表作となる。少女マンガにおけるSF作品の先駆者としてもその功績は大きく、75年に描かれた『11人いる!』は、『ポーの一族』とともに第二一回小学館漫画賞を受賞。06年には『バルバラ異界』で第二七回日本SF大賞も受賞した(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

やっさん

180
★★★ 近未来的なSF長短篇。序盤は独特の設定や文体に苦しんだけど、徐々にそのペースにハマった、まんまと。筆者が今年で70歳を迎えると知り、研ぎ澄まされた鋭敏な感覚に驚いた!2019/01/23

mocha

97
萩尾望都さんの小説は初読み。どのシーンも絵が浮かんでくるようで、やはり視覚的に描く人なんだと思う。表題作『音楽の在りて』では、音楽の原初の喜びのようなものが伝わってきて鳥肌がたった。『美し神の伝え』は狭い世界を描いた中編ながら、スケールの大きさを感じさせる。文字だけでも充分な完成度だと思ったけど、冒頭の『ヘルマロッド殺し』の続編を巻末の漫画で読み、どの作品も漫画で読んでみたくなった。2017/07/24

よこたん

42
“おまえがここにいるように、あらゆる世界も、そこに在るのだ。世界は考えているだろうか? 空や土や熱が考えると思うのか? お前はどこで考える? どこで見る? どこで動く?” 遠くからかすかに響く硬質な金属の音と、素朴なリュートの調が混じり合うような心地だった。ほぼ40年近く前に初出の作品たちだということに驚く。漫画ではなくても萩尾望都さんの世界が脳裏に広がる幸せよ。生きて在るということ、死とはどういうことか、答えのでない問答を眺めつづける。SFありコメディありゾワリありホロリあり。「守人たち」が好き!2019/09/22

けろりん

41
幼き日、漫画本を手にした時から、この方の絵は在り、馴染んできた。萩尾望都さん。その独特の描線、風と空気の流れを感じる余白、華美さは無いが端正な美を持つ登場人物たち。そして比類無き世界観。この真っ白な装丁の小説集から立ち昇るのも、孤高の創造主の薫りだ。高度に歪な進化を遂げた世界の閉塞感、日常の裂け目に腕を突っ込んでくるりと裏返すパラレルワールド。時空の彼方へと零れ落ちた音楽…。人は生死の代わりに分解と再生というサイクルを繰り返す、入れ子細工のような世界。後の生殖無き世界を描いた大作の姿が確かにそこに在った。2018/11/03

28
ずっと読みたいと思っていた萩尾望都さん。初めて読んだけれど、大好きな世界観でいつまでも浸っていたいと思った。どれもこれもきれい過ぎて淡々としているような、真っ白な世界の中で望都さんの世界だけが広がっているようなものすごく不思議な感覚だった。これを視覚的に見ることができたら、さらに入り込んでしまいそう。マンガは読んだことがないので読んでみたい。また文字の世界とは違うものを感じることができるような気がする。2013/07/04

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