内容説明
自伝の曠野を疾走する「家なき子」の家出と、その魂の故郷。制度化された書物的思考を揺さぶり、解体する道化的発想と、身体的思考の熱き坩堝。
目次
自叙伝らしくなく―誰か故郷を想はざる
競馬への望郷―旅路の果て
さかさま英雄伝
さかさま童話論
青春論―家出のすすめ
幸福論
犯罪の政治学
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ぐうぐう
9
自叙伝から始まり、青春論、そして幸福論などを含めた著作集第4巻。寺山の俳句がそうであるように、ここに記されている自叙伝が、そのまま事実であると鵜呑みにするのはあまりに軽はずみと言わざる得ない。寺山自身の疑問と不安が動機となっているのかはわからないが、歴史を何食わぬ顔をして虚実で塗りつぶしていく寺山の行為は、結果的に作家としての寺山修司を形成させていく。そのスリリングなことよ!(つづく)2010/07/19
KBOSN
0
競馬のエピソードは面白かったが…。『幸福論』の章が冗長だった。2019/01/21