内容説明
3.11は何を突きつけたのか?どうするフクシマ後の日本?各分野のオピニオンリーダーが“転換の今”を問いかける。全編書き下ろし、カラーグラビア付き。
目次
命を守れるのは誰か―放射能汚染の現地から(江川紹子)
フクシマ後の日本をどうするか(安斎育郎)
三・一一を生きのびるために(暉峻淑子)
震災復興と地域再生―「創造的復興」ではなく「人間の復興」を(岡田知弘)
復興をめぐる二つの道の対決―新自由主義的復興構想から訣別し、民衆的・福祉国家的復興の道を(渡辺治)
復興は新しい国づくりで(辻井喬)
反原爆、反原発の助け合い社会を(梅原猛)
著者等紹介
小森陽一[コモリヨウイチ]
東京大学大学院教授、日本近代文学専攻、「九条の会」事務局長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Takao
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2年ほど「積ん読」状態だったが、3年目の3・11を機に読んでみた。既に3年を経過してしまったが、後の時代から「3・11後」が問われることになるだろう。3・11がなかったとしても、構造改革路線と「新福祉国家」構想とのせめぎ合いはあった思うが、その対峙がより鮮明になってきた時代を生きている者として、どう考え、どう行動していくか。2014/04/04
壱萬弐仟縁
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政官産学メディアの鉄のペンタゴン。原発再稼働を画策する人たちは、放射能拡散という問題を、封じ込めなければならないということを、忘れてしまっているのではないか。アマルティア・センは、飢餓や災害は政治が起こすのだと言った(暉峻稿p.95)。自然は人間の暴走を時に戒めるために、天災を引き起こすが、政治の責任は大きい。収束していないのに収束した、と言ってしまうのは、逆に、真理を知っている者からすれば、嘘くさく感じるであろう。評者としては、渡辺稿を高く評価したい。理由は、殆ど消費税やTPPや原発に同じ意見だから。2012/05/26