目次
ある晴れた日の出来事―一二月八日と八月一五日と
戦後世代の戦争責任
転換期 今と昔―若い人たちへ
第二の戦前・今日
現代世界を読む
世界の五〇年と日本の進路
どうなる世界どうする日本―九月一一日のかなた
憲法は押しつけられたか
九条と日中韓
私たちの希望はどこにあるか―今、なすべきこと
著者等紹介
加藤周一[カトウシュウイチ]
1919年9月19日‐2008年12月5日東京に生まれる。東京帝国大学医学部で血液学を専攻。医学博士。幼少から読書に親しみ、フランス文学や日本の古典文学に深い関心を寄せる。学生時代に中村真一郎、福永武彦らと「マチネ・ポエティク」を結成、押韻の定型詩を創る。戦後、留学生として渡仏し、医学研究のかたわら西欧各国の文化を摂取したことが、日本文化の特徴を考えるきかっけとなる。和漢洋の幅広い教養と繊細な感性をもって、評論・創作活動に従事。日本の文学・思想・美術の歴史を世界的視野から見つめる態度は、労作『日本文学史序説』(大佛次郎賞)を生んだ。カナダ、ドイツ、スイス、アメリカ、イギリス、イタリアなどの大学や、上智大学、立命館大学で教鞭をとる。2004年、「9条の会」の呼びかけ人に(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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がんもどき
6
30~20年前にかけての作者の講演をまとめたもの。第二次世界大戦後の日本の在り方、九条の扱い、日本と周辺国、アメリカとのかかわり、湾岸戦争、911テロとその後について語られている。今のように、アメリカに頼るばかりで韓国や中国との仲を考えないと日本は孤立するという。いろいろな情報を疑ってかかること、政府やマスコミの言わないことを読み取ることの大切さを作者は説く。作者没後の世界なんかも予測していて結構当たっているところを見ると、アメリカ一辺倒はそれはそれで怖いなと感じる。2022/05/14
Satoru Kikuchi
1
戦後の代表的知識人である加藤周一の講演集。同じく戦後の知識人として評される柄谷行人や吉本隆明が難解な言葉や思想家の名前をやたらと持ち出し、近づきにくさを出すのに対して、加藤周一の言葉は極めて平素。大衆を相手にする講演という性質もあるのだろうが、親しみを感じる。しかし、だからといって内容が薄いわけではなくむしろ濃い。豊かな教養と豊富な在外経験に基づく幅広い見識に裏打ちされた加藤の言葉は、まさにこれこそ知識人というもののように感じる。2013/05/17
メルセ・ひすい
1
追悼 拝拝拝。。 いつまでも生きて御意見番でいてほしかった!明晰でユーモアを交えた加藤周一氏の講演。かもがわブックレットとして刊行された講演9篇を集成し、未刊行の1篇を増補した永久保存版。戦後を代表する知識人が縦横に語る「肉声」を再現した待望の書。2009/08/15