感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
英子
1
本作は「同性愛」と「猟奇殺人」を題材として扱っており、数多くの手塚治虫作品の中で異彩です。 内容は、梨園に生まれた美しいエリート銀行マンの結城は、狂気の連続凶悪犯罪者としての顔があった。犯行を次々に重ねては、その後に教会を訪れ、旧知の神父のもとで懺悔を行う。結城を救済すべく動き回る神父。そんな神父の苦悩と救済と改悛を拒否しながら、結城は加速度的に犯罪を重ねてゆき……。 1976年という古い漫画ですが、闇の中で躯が重なり合うシーンや街を歩く男女など、本当に構図が綺麗。何度読んでも結城の妖艶さにヤラレます。2015/03/05