内容説明
「良き社会」の構想。貧困の発見から福祉国家のグランド・デザイン、福祉国家批判から新しい福祉社会の模索まで。ベーシック・インカムをはじめ、最新のトピックも充実させた改訂版。
目次
福祉と/の経済思想―古代から現代へ
第1部 経済学の成立と貧困の発見(「重商主義」の時代―貧困と救済;スミス―文明社会における労働貧民の境遇 ほか)
第2部 経済学の革命と社会改良(シジウィック―アートとしての経済学;ジェヴォンズとエッジワース―功利主義的社会改革思想 ほか)
第3部 20世紀型福祉国家への模索(ピグー―厚生の経済学;ホブソン―異端の経済思想 ほか)
第4部 福祉国家の誕生(福田徳三と河上肇―経世済民の思想;ケインズとヘヴァリッジ―福祉国家の合意 ほか)
第5部 「福祉国家」批判を超えて(ミュルダール―北欧福祉国家と福祉世界;ハイエク―福祉国家と自由社会 ほか)
著者等紹介
小峯敦[コミネアツシ]
1965年生。一橋大学大学院経済学研究科・博士後期課程単位取得退学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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脳疣沼
4
福祉に深く関係する経済思想を一通り眺めることができる好著だと思う。各々の説明の分量も丁度よく、飽きずに読める。2018/03/05
Nさん
0
重商主義〜現代までの経済思想家たちを紹介した一冊。それぞれの章(全25章)に思想家の略伝と、主要著書の思想の解説が付く。有名どころや、名前くらいしか知らなかった思想家までをザッと概観することができる。前半部は経済学の発展と功利主義に基づく思想を、後半部は福祉国家の形成や批判・現代の福祉国家論へと向かう。視点が「経済」思想のためか、あくまで「市場」を含む自由放任から社会民主主義までの紹介で、社会主義思想には触れていない。個人的に福祉国家といえばケインズだが、その原型にもなったホブソンの理論が知れて良かった。2016/10/18