内容説明
奇しくも時代と社会を表出している「悪と暴力」の思考やその現場を哲学・倫理学の存在論的根源性として問い返す。
目次
他者・倫理・暴力―総論にかえて
1 問題の原型に向かって(悪の起源―シェリングの思考に基づいて;苦しみの意味を求めて―レヴィナスから見る悪と苦しみ;「エコノミー」あるいは「超越論的暴力」―デリダの「エコノミー」論;親鸞における“悪”と“宿業”―「ひと千人ころしてんや」をめぐって)
2 思考のアクチュアリティを賭けて(聖なるファシズム;リベラリズムの身体―方法論的個人主義批判の試み;“帝国”の暴力―グローバリゼーションにおける生政治のありようをめぐって;“語られたこと”としての歴史と暴力)
3 暴力の現場からの思考(“家族”と暴力;生殖医療技術における「暴力」―多胎減数手術と女性の自己決定;破壊のあとの鎖列―水俣の経験から;パレスチナ/イスラエルにおける暴力とテロリズム)
著者等紹介
熊野純彦[クマノスミヒコ]
1958年生まれ。東京大学大学院人文科学研究科博士課程単位取得退学。倫理学専攻。東京大学文学部助教授
麻生博之[アソウヒロユキ]
1965年生まれ。北海道大学大学院文学研究科博士課程修了。哲学・倫理学専攻。東京経済大学助教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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