ジェンダーにおける「承認」と「再分配」―格差、文化、イスラーム

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  • サイズ B6判/ページ数 314,/高さ 20cm
  • 商品コード 9784779120817
  • NDC分類 367.2
  • Cコード C0030

内容説明

多様性が承認される「自由」な社会。「自由な個人」として不平等な市場に組み込まれるわたしたち。文化か、経済か。承認か、再分配か―このジレンマを乗り越えることは可能なのか。ポスト新自由主義を見すえるジェンダー研究の最前線。

目次

第1部 承認と再分配の問題とは何か(承認論とジェンダー論が交叉するところ;フレイザーとバトラーの「再分配/承認」論争;ポストフェミニズムと日本社会―女子力・婚活・男女共同参画;“分配か承認か”の手前で―ケアの倫理からの再考;分配的正義から交換的正義へ―「我が家の楽園」としてのコミュニズム)
第2部 承認、再分配、そして文化(「貧困との戦い」の行方―貧困の文化化とアパラチア;学習社会とポストフェミニズム―『リタの教育』における終わりなき成長;シングルマザーが夢見るユートピア―『時を飛翔する女』における「家族」のオルタナティヴ;承認の外へ―根間智子と仲宗根香織の写真における「問い」としての沖縄;フランスの地方美術館による作品収蔵と芸術家の様相―印象派とポスト印象派を中心に)
第3部 イスラームと女性(イスラームと女性の地位―まず、知るべきこと;現代フランスにおける「スカーフ論争」とは何なのか―レイシズムと女性の身体をめぐって;表象=代表(representation)、知識人、教育―マララ・ユスフザイの国連スピーチを読む)

著者等紹介

越智博美[オチヒロミ]
一橋大学商学研究科教授。専門分野はアメリカ文学・文化

河野真太郎[コウノシンタロウ]
一橋大学大学院商学研究科准教授。専門分野はイギリス文化(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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えんさん(연싼)@読書メーター

2
第二波フェミニズムが自己の承認に成功した一方で、再分配(経済)の問題を見逃してきてしまった。この2つは切り離せないにも拘わらず、分離されながら利用されていることを問う論文集。特に教育の役割に注目すると、教育を受ける権利を訴えるマララのような声無き声を表象することができる。一方で、市場社会に従順にさせてしまう(結局、抑圧が残る)役割も果たすということを見落としてはならない。日本の教育を見ても、女性が独立して生きていけない構造があることから、後者の影響が強いと感じさせられた。2015/08/28

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