出版社内容情報
労働運動家としての体験に根ざし、小林多喜二作品のとくに“たたかい”の場面の破綻を徹底追及。他の秀れたプロレタリア文学作品を紹介しながら、多喜二文学の再考を促す。
内容説明
宮本百合子ほか、優れたプロレタリア文学作品を紹介しながら、多喜二文学を再評価し、その再考を促す。多喜二作品のとりわけ“たたかい”の場面の破綻ぶりを徹底追求。
目次
プロレタリア文学覚え
第1部 文学か“闘争”か(プロレタリア文学の手本―樋口一葉『十三夜』;『人を殺す犬』と『監獄部屋』―改作にみる“闘争”至上主義;『防雪林』論―作者が否定する傑作と人物像 ほか)
第2部 “たたかい”の場面の破綻を読む(“たたかい”の現実;『工場細胞』―そのたたかいは砂上の楼閣;『オルグ』―支離滅裂なたたかいの展開 ほか)
第3部 『党生活者』論―破綻累々たる代表作を読む(『党生活者』の破綻を検証する;『党生活者』のなかの女性と「私」の思想;「私」の党生活―一日を廿八時間として)
プロレタリア文学者小林多喜二
著者等紹介
畑中康雄[ハタナカヤスオ]
1928年樺太に生まれる。高小卒業後樺太の炭鉱で働き、敗戦により引き揚げる。1951年北海道三井芦別炭鉱に就職、1962年まで坑内夫として働く。1962年上京。22年間自動車のエンジン工場で労働者として働く。炭鉱時代より労働運動に携わる。年刊誌『労働者』(2005年で35号)発行人。国分寺市在住(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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