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自殺するな!生きろ!―実録・「死にたい」メールそのまま

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  • サイズ B6判/ページ数 246p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784779111266
  • NDC分類 368.3
  • Cコード C0395

出版社内容情報

リストカットや大量服薬などの自傷行為、自殺未遂、不眠、過食、ウツ、解離、いじめ、引きこもり、虐待体験、集団自殺願望……メールで寄せられ師との関係、そしてなにより自分自身をめぐる悩みが語られた。相談者の感情がたかぶり、すぐにでも死にたいという切羽詰ったメールに、何度もヒヤリとさせられた。
ネット心中を志向する相談もあった。圧倒的に女性が多いが、年齢は10代から40代まで幅広い。……

★実例紹介

◆wrist love・18歳・高校生……死にたくて死にたくて、苦しぃ。ただ、静かに話を
聞ぃてくれるだけでぃぃ。それだけの人さぇもぃなぃ。悲しぃ。携帯のメモリーに
は、100人のダチがぃるのに・・・そのなかの誰一人にも、心開けなぃ。ぃっから、
私はこぅなったのだろぅ?

◆あらせ・17歳・フリーター……全然分かってくれないんだ。返事してくれない。
僕は明日人を殺す。僕は待てない。待っても返事がこない。誰でも良いから、殺害し
ます。
会社の人でもいい。高校・中学校・小学校・保育園の人でもいい。
かならず、殺害してやる。返事してくれない。さようなら

◆エリヲ・25歳・会社員……震えが止まらないよ-‥ 明日がまbr>◆蘭子・年齢不詳・高校生……あわわわ(--;)薬~。薬を飲むと安心(?)するので
す。学校辞めて数カ月間、家にいたいのですが母が許してくれないです(泣)・・・自
殺しようとしたけど親が私の異変に気づくのが早くて・・・。
人が怖いんですけど何故か人を傷つけてしまう、殺してしまうような気がして自分も
人も嫌になってます。……昨夜は父と言い争いがあり自室でリストカット。手首をザ
クザク切ってカッターの先端を使って手首の肉を引きちぎってました。



はじめに
「死にたい」メールにこめられた本当の気持ちを聞いてほしい


「ロブさん、助けて下さい。話しがしたいです。またリスカをはじめてしまいました。もう40才にもなるのに…」

 また、今日も悲痛な叫びがメールに乗って届いた。この5年間で、その数約2万1000通。『自殺願望』の発刊(04年8月)から1年余りで、6000通にのぼる。
 この数が何を意味しているかをひと言で言い表わすことはできないが、誤解を恐れずにあえて言うならば、「今の日本社会を生きづらいと思っている人が、少なくともこれだけいる」ということだ。

▼「死にたい」気持ちとの格闘の記録

 筆者のホームページを入口にした、自殺願望者とその予備軍ともいうべき人々を相手にしたメール相談を始めたのが2000年の夏。
リストカットをはじめとする自傷、大量服薬。そうした行為の底に潜むさまざまな心の闇が、つぎつぎに送られてきた。家族や友人・知人との関係、あるいは教師や医師との関係、そしてなにより自分自身をめぐる悩みが語られた。相談者の感情がたかぶり、すぐにでも死にたいという切羽詰ったメールに、何度もヒヤリとさせられた。ネット心中を志向すのつながりが明らかにおかしい箇所がある。また、相談者が送ってきたメールの文字化けもそのまました。あらためて僕の返事を復元することはしなかった。
 本書の企画を、彩流社の杉山さんに依頼されたとき、正直、迷った。2万通ものメールを見直す行為もしんどいし、それよりも、公開することを快諾してくれる人などいないと思ったのだ。そもそも、僕に宛てて書いてきた秘密の内容を公開して良いものか、悩みに、悩んだ。だが、ずっと僕が抱え込んできたメール相談を公開することで、同じ悩みを抱える多くの人がそこからヒントを得て「生きる方向」に向かってほしい、そういう実践のきっかけになってほしいという思いが、僕をつき動かした。公開を快諾していただた方に、ここであらためてお礼をいいたい。

▼相談という行為

 この5年間のメールをすべて見直す作業は辛かった。しかし、自分の返事内容の変化を見ることによって、あらためて発見することも多かった。もちろん、いまだに相談メールに対して、『生協の白石さん』のように気の利いた一言も言えないし、今後も無理だろう。でも、それはそれでいいのだと思っている。
 この「境地」にたどり着くまでが長かった。
なりの限界設定が必要だということを必然的に学ぶことになった。家庭、仕事、相談という自分が優先すべきモノの順序付けをしなければ、ミイラ取りがミイラになってしまうということである。
 気がつけば、僕のメール相談は「反復脅迫」のようだった。つまり、メールという形で自分にかかわってきた人間であっても、「絶対に放っておけない」という気持ちを無意識に反芻していたのだ。そんな中、妻の精神状態が悪化し、育児に追われながらの「相談」は、明らかに僕の限界を超えていた。
 自分ができる範囲で、相談に応じること。これができなければメール相談などやるべきではないと思う。
 メール相談といえば、「某先生」が有名である。しかし、テレビ出演や講演を多数こなす毎日で、自殺、自傷、大量服薬などの悩みにどれだけ真摯に対応できているかは疑問だ。現に、「メールを送ったけれど、返事が来ない」「急にメールが来なくなった」という知らせが、僕にも届いている。
 もちろん、彼に過度の期待を寄せる人間が多すぎることは確かだろう。であればこそ、限界設定をしなければ、そういう人にとって「先生」は、彼の嫌う 抱きしめることのできない大人 に映ってしまうことを自、 精神科が自殺未遂者をつくる という自家撞着に陥ってしまう。
 このような状況を打破するために、熊本県では、救急救命センターに自殺未遂と思われる患者が運び込まれた場合、熊本県内の開業医も含めた精神科医が駆けつける制度ができた。もし、精神科受診していない患者であれば、精神科受診に結びつけるコーディネートもする。こういう試みは、もっと広がっていってほしい。
 国も自殺問題に本腰をあげたらしく、厚生労働省が「自殺予防プログラム」を発表したが、どうしても視点が上から見下しているような感じがしてならない。もっとも、「勝ち組、負け組」あるいは「下流社会」などが云々されている昨今、政府が率先して日本の階級化を推し進めているようにしかみえない状況だから、それも当然といえば当然なのだが。
 自殺者をゼロにするのは不可能である。しかし、こういう現実を見据えて、自殺の問題に取り組まなければならない。

▼「メールなら話せる」を利用する

 自殺者を減らすには、国任せではなく、精神医療機関も含めた日常生活での「自殺防止ネットワーク」を構築する必要があるだろう。とくに自殺未遂や自傷のくり返しを阻止する方策は重要だ。
できて、その結果、自殺という 悪霊 から逃れられることが多い。
 自殺の多くの原因はうつ病だといわれている。この病気の治療は、休養が基本だ。もちろん、向精神薬も必要だけれども、何も考えずにゆっくり休むことが養生の秘訣である。
 けれども、世の中のスピードは加速している。IT技術は日進月歩で進化し、あっという間にいろいろな環境が変わる。そういうスピードに追いつけなくなる(追いつきたくない)人間を社会が「淘汰」しようとするから、心の病が増えるのではないか。だから、僕が主に相談を受ける、世の流れに敏感な中高生の精神状態が狂ってしまうのは、仕方ないことなのかもしれない。
 だが、それでも「生きろ!」と言いたい。他人のスピードにあわせることはない。休むことが必要なら、敗北感や罪悪感を感じることなく堂々と休養してほしい。そしてスクラムを組んで自殺という 悪霊 を退治しよう。
 小難しいことを並び立てたが、とにかくこの本を読んで自殺しようとする人間の生の声を聞いてほしい。そして、絶望とは、その状況を乗り越え、希望を持って生きるために「ある」のだと認識してもらいたい。まだ、希望の灯は消えていないのである。

「メらにお聞きします。入院はどういう形でしたか?(任意入院・医療保護入院・措置入院)入院中も、自殺を図ろうとしましたか?
11.心のどこかでは、キレイに死にたいと思っていますか?
12.「完全自殺マニュアル」を読んだ方にお聞きします。あの本を読んで、死にたくなりましたか?
13.周囲の前向きな姿勢を押しつけることを、うざいと思いますか?
14. インターネットで、自殺に関して調べたり、ご自身でお持ちですか? 自殺系HPをプロバイダーに無断で消去されたことがありますか?
15.今も、死にたいですか?それとも、少しでも前向きになれましたか?
16.あなたのこれまでの人生について、可能な限りお教え下さい。

内容説明

「ロブさん死にたいよ」。リストカットや大量服薬などの自傷行為、自殺未遂、不眠、過食、ウツ、解離、いじめ、引きこもり、虐待体験、集団自殺願望…メールで寄せられた切実な相談内容をそのまま公開する。すべて自殺を思いとどまらせたやりとり。メール相談は命綱。

目次

1 高校生(傷子(17歳・高校3年生)
蘭子(年齢不詳・高校生) ほか)
2 高卒、フリーターほか(さち(18歳・浪人生)
いずみ(20歳・専門学校生) ほか)
3 20代、社会人、独身(アヤコ(年齢不詳・会社員)
エリヲ(25歳・会社員) ほか)
4 主婦ほか(飛鳥(年齢不詳・シングルマザー・医療関係者)
ゆりこ(37歳・不詳) ほか)
5 3年にわたる記録(成美(29歳・病院勤務))

著者等紹介

ロブ@大月[ロブオオツキ]
ノンフィクション作家。1975年8月11日埼玉県生まれ。1999年『BURST』誌にてデビュー。2000年に初の単行本『リストカットシンドローム』(ワニブックス)を上梓(『同2』は05年刊行)。インターネット上のコミュニケーション構造と、社会変動と若者の生態の変化を中心に、取材や執筆活動を行なっている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

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ゆきっち

0
卒論用に。2014/12/05

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