出版社内容情報
尾崎 翠[オザキ ミドリ]
原著
のぞゑ のぶひさ[ノゾエ ノブヒサ]
著・文・その他
内容説明
尾崎翠の代表作を、第36回日本漫画家協会賞大賞&第11回手塚治虫文化賞新生賞受賞作家、のぞゑのぶひさが漫画として書き下ろした渾身の作。
著者等紹介
尾崎翠[オサキミドリ]
1896年鳥取県生まれ。女学校時代に『文章世界』へ投稿を始める。故郷で代用教員となった後、上京。日本女子大学在学中、「無風帯から」を発表。同大学を中退後、文学に専念し、「アップルパイの午後」「第七官界彷徨」などを発表。1932年、病のため帰郷、その後創作の筆を絶つ。戦後は一時、行商をしていた。69年、「第七官界彷徨」が再発見された後も執筆を固辞。71年死去
のぞゑのぶひさ[ノゾエノブヒサ]
1949年佐賀県生まれ。京都や大阪で様々な職業を経験。現在は、栃木県那須町で晴耕雨読。描き下ろしの創作を続けている。昭和文学の金字塔とされる大西巨人『神聖喜劇』を漫画として描き下ろし、その全六巻(幻冬舎)で、第三六回日本漫画家協会賞大賞、第一一回手塚治虫文化賞新生賞を受賞した(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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アキ
34
読メ1000冊目は、尾崎翠の有名な小説のマンガ化。正月に装幀に惹かれ店主もおススメで京都ホホホ座にて購入し、本日ビニールを破り解禁した。どうにも不思議な世界で時代を感じさせる登場人物の服装と言葉遣い。主人公の町子は第七官を元に詩を作ろうと思っている。併しながらできた詩は?三浦しおんさんのあとがきがよかった。みなさん1000冊目の節目におススメですよ。2019/01/15
みどり
24
登録本、1000冊目にふさわしい作品である。今日届いて、待ちきれずにひさびさに包装紙をやぶいた。尾崎翠作品の中でも微妙なニュアンスが多く見られる「第七官界彷徨」の漫画化、すごすぎる。そして装幀の美しさ、A4フルカラーの豪華さ。映画版を見ていたが浜野佐知監督の第七官界彷徨と似たような?再現度の高い世界観を美しいイラストによって見事に描いている。2016年の冬に尾崎翠と出会って2018年の冬も変わらず追っていて、このように新しい作品に出会えた。幸福この上ない。これも嫁に持っていく本リストに必ず入れようと思う。2018/12/09
Saku
22
解説の三浦しをんさんと全く同じプロセスで尾崎翠を知り、全く同じ理由により『第七官界彷徨』から遠ざかっていた。今でも覚えている程の印象的な書きだし。どこかズレている登場人物。音の外れたピアノをはじめとする全く役に立たないガジェット。苔くらいしか実らない恋愛・・・。ビジュアルで見ると初読の頃の感性に改めて響くものがあり、小説を再読したくなった。 2023/06/01
Susumu Kobayashi
5
尾崎翠の『第七官界彷徨』を原作としたコミック。祖母に育てられた小野町子は、都会に出て兄の小野一助と二助、従兄の佐田三五郎の借家に炊事係として同居することになる。一助は精神病院に勤務し、二助は卒業論文のためにこやしを煮ている。三五郎は音楽学校の浪人生。原作もそうだけど、この作品も不思議な作品に仕上がっている。こういう作品に対してどんな感想を述べたらいいのだろうか。2022/09/27