感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ぐうぐう
17
奈良を生きるアーティストにとって、大和三山の伝説は、せつない愛の関係を感じさせ、イマジネーションを刺激されるものがあるのだろう。河瀬直美にとって『朱花の月』がそうだったように、ふみふみこにとってそれは『さきくさの咲く頃』として昇華する。ふみふみこはそこに、性差の問題を重ねていく。大和三山の狭間で、永遠に続くと思われていた三人の関係が、四季が過ぎるうち、取り返しのつかないものへと変わる。それでもまた、四季は必ず巡ってくるように、青春を終えた三人に、新しい理解がやってくるはずだ。2013/01/21
林 一歩
11
2014/01/22
白い駄洒落王
9
ちょっと変わった恋愛漫画で、なかなかよろしい。2013/11/19
ムック
9
澄花と千夏と暁生、それぞれが一方通行な想いを抱え過ごす高校時代。変わりたくないけど変わらざるを得ない関係性、大人になっていくってこういう事なんだろうな~。シンプルな絵だけど読ませてくれる素敵な作品、装丁も可愛くてお気に入りです。2012/11/24
よしだ
8
主人公と双子のいとこの三人を巡る儚く悲しくとても美しい物語。ぽこぽこで連載していたのを読んでいたがこうして一冊になるとより厚みのある物語であることが実感出来る。春夏秋冬と大和三山や更には和歌を、三人と絡めて話が展開され非常に情緒豊かな物語になっていると思う。素敵!「さきくさ」は3つの枝に分かれた花の意味らしい。題名まで物語に絡めていて本当に素晴らしい作品。傑作!2012/11/19