出版社内容情報
なぜ人は万引きをするのか?
その歴史は16世紀のロンドンで始まった...。
全米の検挙者数は総人口の9%、日本の被害額は年間4500億円以上...。
世界第2位の万引き大国=日本、必読の一冊。
●目次●
序論
第1部 万引きの歴史
1 盗みと処罰
2 窃盗症と法の変革者
3 アビー・ホフマンと電子防犯タグ
4 ロビン・フッド、バージョン2.0
第2部 実態
5 万引きする人々
6 ホット・プロダクト
7 職業的万引き犯''ブースター''
第3部 病理
8 盗みのスリル
9 万引きセレブの盛衰
10 万引き依存症
第4部 対応策
11 盗難対策
12 損失防止(LP)の未来
13 万引きは不治の病か
14 羞恥心
結び
1 ~ 1件/全1件
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
たまきら
32
ウィノナ・ライダーの万引きを調べるうちにこの長きにわたる「犯罪」に興味を持って調べ始めた著者。罪の重さがいかに変わってきたか、そして金持ちには精神の病とされ、貧しいものは終身刑にもなりえるというダブルスタンダードが今もまかり通っているという記述には考えさせられた。人のものが欲しい、どうしてもほしい。…この欲望が根源の万引きは、きっとこれからも悩みのもとであり続けるんだろうな。2020/04/09
4fdo4
17
女優ウィノナ・ライダーの万引きはセンセーショナルだった。 それよりも、本著を読んで驚くことは多い。近世までイギリスでは万引き(窃盗犯)は死刑。 現代でもUSではスリーストライク法(3回有罪判決になると終身刑)で厳しい刑に服す可能性が高い。 その割には身近で軽微は犯罪のイメージはある。 そして病気や衝動での万引きと、利益を目的とした万引きぐらいの区別はぼんやり認知していたが、 非常に根の深くそして大きな社会問題であることに気づかされた。 2020/03/22
スイ
9
とても興味深かった。 万引きの歴史、万引きは病か、万引きにふさわしい罰はどの程度か、罰は抑止力になるのか、などなど。 実例、専門家の意見、更に万引き経験者本人達の言葉も多く、色々な方向から考えられる。 しかし、そうか、万引きの処罰にもまた性差別、人種差別、貧富の差が関わって来るんだなぁ…。2017/09/06
屋根裏
3
"文化史"が集中的に記述されるのは前半100頁ほどで、残りは著者による取材報告。前半のノリを維持して欲しかった。後半はちょっと肩透かし。2023/03/12
くさてる
3
題名と装丁から、世界史における万引き大百科みたいな内容かと思いきや、ちょっと違った。もちろん歴史をなぞる部分もあるけれど、そのほとんどは現代文化における万引きという犯罪の解釈や具体的な対策、精神医学における万引きという病についてを解説したもの。それはそれで興味深い内容で、面白かったです。2012/11/06